ある中学校の3年生1クラスの協力のもと,「学級づくりに関するアンケート調査」を実施したところ,右のグラフのような結果を得ました。8割以上の生徒が「友達と一緒にいるのが楽しい」(グラフ1)と感じているにもかかわらず,学級全体での活動への意欲がやや低い(グラフ2)ことがうかがえます。交友関係が一部の友人に限られており,学級全体としての一体感が育っていないことが感じられます。
一方,「どのような学級にしたいですか」という質問項目に対しては,「まとまりのある学級」「仲の良い学級」「明るく楽しい学級」「信頼できる学級」などが多くあげられ,「学級として団結したい」という生徒の願いを見取ることができました。このクラスの場合,担任は転勤してすぐに受け持った3年生であったため,特に生徒一人一人の性格や人間関係を理解することが急務であり,生徒との相互理解を深めながら諸活動に取り組んでいきたいと考え,班ノートに取り組むことにしました。
班ノー卜は,担任と生徒個々で交換する個人ノー卜と異なり,書かれている内容を学級全体で共有することができるため,その活用の仕方により学級の人間関係づくりで大きな成果を得ることが期待できます。そこで,学級の好ましい人間関係を醸成するための班ノートの活用法や活用事例について,実践を通して考察したいと思います。
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