『生きる力』を育てる指導と評価の 実践事例集 平成14年9月-138/142page
2 実践の実際
(1) 班ノー卜の実施方法
ア)学級を6つの生活班(1班6〜7人)に分け,1日に1人の割合で班ノートを回す。
イ)班ノートは,家で書くことを原則とする。
ウ)その日にあったことへの感想や今思っていることなどを自由に記述し,朝の短学活時に担任に提出する。
エ)担任はコメントを書き込み,該当班に戻す。(2) 班ノートの内容を向上させるための手立て
@ 学級通信の活用
生徒は班ノー卜への取り組みが初めてであったため,慣れるまでは内容を限定しないで,自由に記述させるようにしました。初めのうちは,テレビ番組の話題や家庭での生活日記的な記述が多かったのですが,学級通信に班ノートに関する記事を載せ,その内容について下記のように呼びかけたところ,授業のことや学校行事のことなど学校生活に関する内容の記述が増えました。
『学級通信』より
班ノートはじめました 今週から「班ノー卜」というものを始めました。各班1冊,班員が交代で書くもので,記述内容は自由です。1週間に一度程度回ってくることになります。方法は,帰りに各班に渡し,次の日の朝に回収します。目的は学級生活の向上です。
ご協力お願いいたします。
班ノートから 班ノー卜を始めて約2週間が過ぎました。今のところ,分量は3行から1ぺージまで差はあるものの,毎日各班ともノートを提出しています。内容は様々ですが,ちょうど中体連を控えた時期であったためか,部活動のことが多かったように思います。これから先,どのように内容が変化してくるのか楽しみにしています。
班ノートから A 中体連が終わり,最近の内容はテスト勉強のことが多くなっています。自分から勉強したという記述を残す生徒は,きちんと勉強しているんだなと感じています。昨日の内容によると,一日中勉強していた生徒もいました。全体として家庭生活についての記述が多いですが,今後,学校生活について考える記述も増えてくればいいなと思っています。
「班ノート」に意外な効果 14日に,班ノー卜を題材とした授業をしました。内容は,学級通信19号の裏に掲載した「生徒の思い」を見て,感じた事などを出し合い,班ノートヘの取り組みについて再点検するというものでした。生徒たちからは,「他の人の生活が分かりおもしろい」「普段あまりしゃべらない人の考えが分かるのがいい」「先生のコメントが楽しい」などの意見が出され,意外に楽しんで取り組んでいることが分かりました。担任としては,学級で起きた出来事や,行事への取り組みについて感じたことなども書いてもらえると,もっとおもしろくなるのではないかと感じています。