研究紀要第2号 教授組織に関する研究 実践集 - 004/047page
(1) 専門的分担
学級担任制の長所のうえに、職能的分化をおしすすめた専門化と、その協同化によって教育効果をあげようとする。職能的分化は、専攻教科を中心とするが、得意とする教科、あるいは開拓しようとする得意教科について、組織的に分業・協業することにより集大成をはかることである。
(2) 協力体制
教育課程の管理や授業の充実の根底としてのスタッフと、そのかかわりあいについてのことである。従来とも学校は、学年・学級を単位として経営されているが、組織体として機能が明確でなかったようである。このことを反省し、特に学年(学年団)の果たす機能を再検討し、教育活動の推進母体とする。その実施は、学年(学年団)のスタッフが特性を生かした役割分担で、組織的な相互作用に期待することになる。
6 学校組織上の教授組織の位置
学校組織を機構的にみるとき、運営組織、教授組織、事務組織とすることができよう。運営組織については、職員会議、各種委員会などの構造であり、教授組織については、子どもの指導に直接関係する活動様式である、事務組織については、従来の分担業務の「わく組み」になるだろう。
各組織は機能的に活動できるよう内的秩序が整えられるとともに、学校組織として体系づける必要がある。この場合の活動単位といえば、学年、あるいは学年団であり、かつ、教授組織が基盤となって、業務の分担や、委員会の構想を考えることになる。このようなたてまえをとることは、あらゆる機会と場において、役割・分担の活動や業務が協力的に遂行されるようにするためである。
次に学校組織の一例をあげることにする。
この例は、合併授業はむりであるが、同時同教科配当による複数授業で効果をあげようとしている。また、交換授業で複数の分担を可能にし、小規模校の欠陥を補うことに努めている。