研究紀要第3号 福島県診断標準学力検査問題報告書 国語科 - 010/060page
いとしているわけであるから、筆順を正確に理解させることが大切である。できるだけ筆順の原則を理解させたい。
(5) 5 書く・語句
例文に適当する語句をえらんで入れる問題
問題一
4.おひさまのひかりは、だんだんつよくなりました。わたしはあつくて( )うわぎをぬいてしまいました。
53.7%の正答率である。誤答のうちでもっとも多かったのは、(さっと)という語句をいれたものである。前文の「だんだんつよく」という語句に注目すべきである。たゞ、出題方式が、5つの文章を示し、選択語群を6つ与えて、そこから選んで記入することにした関係上、「とうとう」ということばを、別の文章に代入してしまったものは、この文章は誤答になってしまうわけである。
5.おひめさまが、おににさらわれそうになったので、いっすんぼうしは、はりのかたなを( )ぬいてむかっていった。 ここでは、(きゅっと)という語を代入したものが相当数いたが、これは、4の問題との関連から考えてみなければならない。即ち、4の問題で(さっと)ということばを使用してしまったものは、ここではそれ以外のことばを使用しなければならなくなる。とすれば、もっとも近い表現といえば(きゅっと)ということになるかも知れない。
このように分析をしてくると、全体をみとおすという習慣あるいは態度が必要になってくるのではないだろうか。
たゞ、刀をぬくときの動作を、「きゅっと」という表現をつかうかどうかである。
(6) 6 書く・文・文章
学習指導要領の改訂によって、作文の指導が重視されてきているので、その力をしらべようとねらったのであるが、ぺーパーテストの限界から、長文を書かせてそれを検討してみるということができないので、作文をかくときの基礎的なもののみにおわってしまった。形式的なものが内容になってしまったことは反省の余地がある。
問題二
表記上の記号の問題
「 」の正しい使い方が意外にわるいことにぎもんをもつ。33.1%というのは、全問の最低である。低学年の作文の中には、会話のしめる割合がひじょうに多いのにどうしたことだろう。
「…略… おとうさん かえるが いるよ。とぼくがいいました。」
問いの文には、おはなしのぶんのところにとことわってあるのだから「……と」というところに注目すれば、理解できると思う。
教科書を調べてみると、光村版では一年上だけで40回、東書版では同じく上で、66回もこの会話の「 」がでてきている。