研究紀要第3号 福島県診断標準学力検査問題報告書 国語科 - 030/060page

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きものを着るを切るとしたものは少なかったが、想起の不完全から、といった誤字が多く見られた。
この結果から、漢字のもつ意味をしっかり理解していないことが、大きな原因でないかと思われるし、これらが発展して、こども特有のあて字というものが生じてくるのではないかと考えるのは無理だろうか。

問題四
筆順の問題

 
正答率
28.4
40.0

予想としては、感よりも発の方が下まわるだろうと思っていたが逆の結果になった。
児童の中には、筆順などにこだわりなく、漢字はかければよいという考え方が、やや強いようにみうけられる。漢字を書く能力と、正しい筆順とは深い関係がある。もともと筆順は、漢字の生成に関係があるので、正しい順序で書くことによって、漢字に関する理解が深まり、正確さと速度と字形が身についてくると言われている。このような点から、誤りなく書ければ、筆順などはどうでもよいという考えにはたつべきではない。

(5) 6 書くの文・文章

問題五
修飾、被修飾語の問題
1、2とも、55%台のできなので、まずまずということであるが、両者とも無答が多い。設問の意味がよく理解できなかったのかも知れない。それは、提示されている語句以外に、自分勝手なことばをつくって記入しているものが多いことからも推測できる。

誤答分析をしてみると、1の問題の提示語は「わたのような」ということばであるが、それを「わたしのような」ということばに読みちがって、解答らんに記入している。処理の段階で、それも誤答として取扱ったので、正答率を低くしているかも知れない。語句に対する注意心が不足していることがめだっている。

問題九
段落のととのった文章を書く問題
こどもの作文などをとおして考えてみると、段落意識というのは、そうたやすく身につくものではないことがわかる。

@全然段落を意識しないもの
A段落を細かく切りすぎているもの
Bひとつの段落に他の段落が入りまじっているもの
C段落の切り方がおかしいもの
D段落と段落のつながりがうまくいかないもの
E段落が前後して、全体の流れがスムースにいかないもの

などが、こどもの作品からうかがえる問題点である。
交章を構成する場合、文の継時性に着目して、その手がかりとして、接続語のはたらきや、文相互の論埋性を考えていくべきであるということは、二年のところでのべたが、ここでは、

oところで
oそこで
oむかし むかし
oある日

などの語句を手がかりに、論理性を追っていこうということである。
誤答の中でもっとも多いのは、正答が右から、2-4-1-3の順序であるのに対して、4-3-1-2が多く、次いで、3-4-1-2となっている。

とつぜんおきたかなしいできごととは何か。を考えて見ることと、そこでということばのもつはたらきということをおさえられれば、この文章のながれはつかめると思う。
段落ということは、四年の段階でとり扱うことになっているが、そのときになって突如として取扱うことでは、なかなか理解ができない。二、三年でその基礎ともなる文と文のつながり、文章と文章とのつながりを、学年相応にあつかうことが大切だと思う。


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