研究紀要第3号 福島県診断標準学力検査問題報告書 国語科 - 050/060page

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ここでは、上記のように計10問を作成して出題したが、2分野とも正答率はそれぞれ50%台から60%台になっている。しかし、小問ごとに検討していくと、次の問題が極端に悪い。

上のことばが、もっともよくあてはまる文を一つ選んで、その文の□の中に、上のことばを書き入れなさい。
3 みあわせる
天気がよくないので、あしたの遠足を□ことにした。
着物ができたので、よくあうかどうか□ことにした。
前に走っていた人がたおれたので、その上にぼくも□。
すなわち、この問題の正答アに答えたものは、わずか19.9%で、なんと76%のものがイに答えていた。

(6) 書く(文・文章)

大問番号
ねらい
小問数
大問正答率
文章の中で指示語を正しく使う
ことばを続けて文を作る
文を続けて文章を作る
  
内容にあった文体を使って書き分ける
段落の区切りが正しく主題要旨の明確な文章を書く
4
4
2
2
3
58.3
71.7
48.2
80.9
71.3

この領域では、「文を続けて文章を作る」の分野の正答率がやや低い程度で、それ以外にはまったく問題点は見当らない。そこで、上記の分野だけを取り上げて見てみよう。

「文を続けて文章を作る」のところでは、2問作成して提示したが、そのうち第1問の正答率は70.9%だったのにたいして、第2問目の方は25.4%であった。これは、前者の方が、4群の文や文章を続けて、完全な文章を構成させるのにたいして、後者の方は、一つ多い5群の文を続けて、文章を完成させるという問題であったこと、さらに前者の方は、文群の頭に、文章の接続の関係を比較的把握しやすい接続語が用いられていたのにたいして、後者の方は、文群の最初に位置している副詞、接続詞等が、割合いに照応のはっきりとしないものであったことなどによるものと思われる。

しかし、それにしても、指示語や接続語等の正しい使い方については、さらにもう一段の努力が必要と思われるので、毎日の表現活動の中で、計画的、継続的、合理的な指導を行ない、児童の基礎能力の一つとして、定着化をはかっていかなければなるまい。


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