研究紀要第4号 福島県診断標準学力検査問題報告書 算数科 - 023/061page
W 第3学年の結果の考察
第3学年において学習した結果の実態を診断的にとらえ、今後の学習指導に役立てるため、「診断的性格を帯び福島県で標準化した学力検査問題」の作成をとりあげた。
この学力検査問題の標準化のため、標本校を選定しテストを実施した。その結果の正答率、および誤答分析を行なった結果などの資料によって、この学年における指導上の問題点について考察を試みてみる。
それら結果の考察を進める前に、テスト問題の作成にあたっての基本的な考えをのべ、結果の考察をいっそう意味のあるものにする。
(1)指導要領に示されている第3学年の内容についての基礎的能力をとらえられるようにする。
(2)理解の深さ、およびつまずきの箇所を診断できるようにする。
(3)子どもの算数科の学力について、概観的に且つ、教科内における学力の差異をも診断的にとらえられるようにする。以上のような問題作成にあたっての基本的な考えをふまえ、3学年の算数科の学力をとらえうるように、いくつかの領域・分野を設定し、それぞれの領域・分野のねらいにあった問題を網ら的に、漏れのないように作成し、当学年の算数科の学力を診断的にとらえうるようにした。
領域・分野は、2学年と同様、学習指導要領に示された領域とし、「数と計算」に関する内容が多くなっているので、この領域を2つに分け、つぎのような5つの領域とした。
・数と計算の意味の理解……数の概念の理解 加減を適用して問題を解く能力
・計 算……計算についての理解と技能
・量と測定……量の概念と測定の意味理解
・図 形……図形の概念の理解
・数量関係……数量の関係についての理解1 問題のねらいと正答率
〔T〕 (40分)
領
域問題のねらい 問題番号 正 答 率小問 大問 領 域 1
計
算1.整数の加法の計 1 (1) 93.6 92.8 (2) 92.0 2.整数の減法の計算 2 (1) 89.2 75.8 (2) 70.6 (3) 67.7 3.乗法九九を用いての計算 3 (1) 97.4 96.1 (2) 96.2 (3) 94.8