研究紀要第4号 福島県診断標準学力検査問題報告書 算数科 - 022/061page
「表、グラフをかく、読む」を内容とする問題によって構成されている。
正答率からみると
・数量関係を式に表現する。 (68.2%)
・式の意味の理解(演算の決定) (60%)
・表やグラフをかく、読む。 (64.2%)が低い正答率を示している。
ここで、数量関係を式に表現する能力の問題の正答率が低いのは、このような形式になれていないためであろう。表やグラフを書く、読む能力について、もうすこし高い正答率を期待したが低かった。形式的な結果をいそがないで、具体的な事例をもとにして、まず、グラフを書く目的をはっきり理解させるようにする。つぎに、目盛りの線のよさ、その意味を理解させる。
そして、グラフについて、いろいろな見方をさせるようにして、グラフの見かた、書きかたについてじゅうぶんなる理解をさせるようにする。
式の意味についての理解の問題であるが、加法の適用場面が66.1%、減法適用場所が52.6%、乗法の適用場面が61.3%。それぞれ、2年としてはあまり高い正答率ではなかった。問題形式にも抵抗があったかもわからない。
8×5=40の理解について、誤答分析をした結果おもなあやまりは、え(25%) い(7%) お(10%)であった。
このあやまりは、加法の適用場面の数量関係をあらわす式であると考えたものでないだろうか。乗法の記号の意味が確実に理解されず、乗法の適用場面についての理解も確実でないと考えられる。
演算記号の意味、および加法、減法、乗法の適用場面の理解を、いろいろの経験の場によっていっそう確かなものにする配慮が必要である。
また、作問などによって、式の意味、数量的な関係と演算や式との結びつけをたしかにするようにする。