研究紀要第4号 福島県診断標準学力検査問題報告書 算数科 - 041/061page

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(3)について
正答率31%、無答率10%、誤答のおもなものは「645」が31%、「6.45」が13%、「6450」4%でその他「0.645」「64」「64500」などが見られた。この問題を通して考えられることは、長さ、重さなどの単位は前学年までに指導されてきているが、二次元量、三次元量としての面積、体積などの単位相互間の関係は、こどもにとって単位とその量感が結びつかないため困難さを感じることができる。

面積、体積の単位間の関係を理解し必要に応じて、換算ができるようにし、また目的に応じて、適当に単位を選定する能力を身につけさせる指導が望まれる。

容積の理解の問題は

量と測定

である。これの100名の無作為抽出による誤答分析をしてみると、正答率27%、無答率は24%である。誤答の内容をみると「1080」が8%「1」と「1200」が5%あり誤答の種類が31種の多きになっている。これだけこの種の問題に抵抗を感じていると思われる。どこに計算の糸口を求めるか迷ったものと思う。この問題が理科的知識を要するものであるところにこの原因があると思われる。容積等の問題については、理科、家庭・技術などの教科との関連を十分にとり具体的な場面の提供が重要なことと思う。

容積の計算でも、6番(2)のように単純に容積の計算のみの場合は32%と、7番の問題よりは高い正答率を示している。他領域との関連をはかりながら、それらを統合的、発展的にとらえまとめてゆくことが必要である。

 5 図形

図形指導については、低学年から、長さや角などについて直接測定をして比べる仕方の指導がなされてきた。そして等しいとか、大小とかの関係を理解し表現させてきた。この学年ではこれらの基礎の上にたって、図形についても等値関係があることを理解させることを目標としている。この場合に、単に直観的に判断したり、重ね合わせるといった直接操作だけでなく図形を条件的に考察し、位置の相互関係などを会得させることが重要である。
この領域で正答率の低いものは

 ・合同の概念の理解
 ・台形、平行四辺形の理解
 ・空間における位置の表わし方の理解

である。合同の概念の理解の問題は

図形

である。この(1)の正答率は28.42%、(2)の正答率は3.80%と低率であることは意外であった。合同、対応など用語の問題であるわけであるが、対応の言葉に抵抗があることも考えられる。100名の無作為抽出による誤答分析をみると

(1)の正答率34%、無答率27%であって、誤答の種類をみると「正方形」と書いたものが12%、「三角形」と書いたものが6%、「平行」と書いたものが5%あり、その他誤答の種類は「直角」「平行四辺形」「四角形」「等しい」などとなっ


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