研究紀要第4号 福島県診断標準学力検査問題報告書 算数科 - 061/061page
から5%までの問に45種の多くにわたっている。
試行錯誤的に解答した感じがある。5 数量関係
第6学年でのこの領域は、関数的な面と統計的な面の両面からみて、算数科の水準での数量関係の領域が最終的に目途とする目標をもっている。
関数的な考えについては、これまでに各学年で積重ねてきた目標を、ここで比例などの関数関係の理解、活用という点で総合し、比例、式、グラフなどを通して目標を完結するようになっている。また、統計的な数量関係では、可能性の集合作りなどを通して、分類、整理などの考え方を発展させて確率の素地指導をすることになっている。
この領域で最低の正答率を示したのは、次の問題である。
この標本抽出による正答率は14%、無答率は10%であった。誤答例も54種と非常に多いが最大誤答率はχ×0.2の5%である
χ、20%、480円の関係がよくつかめないことに原因がある。さらに文字への抵抗はわれわれの想像以上に重荷であることがわかる。
簡単な数量関係を式表現するという方針から、より文字を自由に用いるという習慣を作ることがたいせつであると痛感する。これが発展して、中学校での方程式、関数指導の素地となるものであるだけに、今後指導上の問題点として改善、工夫をはかる必要がある。
次に低い正答率を示したのが確率・統計の問題である。
この標本調査による
正答率は17%、無答率は24%となっている。目の出る割合を小数点以下に記入したものが8%で、他はすべて1より大きい整数値を記入している。
このことは、確率の意味の不徹底にあると思われる。確率の指導は新指導要領、第5学年の(D(4)エ)をうけて、第6学年では簡単な場合について数学的な確率を指導することになっている。確率指導の対象とするものは「ストカステイック」なものであるが、これを児童の身近かなものであり、興味もあり同一条件で多数回の試行可能なものとなると、取り上げる素材に苦しむが、今後、確率、統計指導において、実験計画のたて方、実験のしかたを通して、確率の意味を理解させるにはどうするか指導法の改善工夫が望まれる。
また、問題番号6番の二項関係式をかく問題も低い正答率であった。
第6学年での関数指導は中学校での、比例の一般的な式表現、さらに一般の比例関係に発展させるものであるので、確率の指導とともに重要な領域であると思われる。