研究紀要第4号 福島県診断標準学力検査問題報告書 算数科 - 060/061page
ることが必要である。
次に縮図や拡大図をかく問題も、拡大図が整数倍であったため正答率が高くなっているものと考える。縮図については、1/2倍というものを目盛を見て書かせる問題であるが、目盛上で1/2をとれないものが過半数をしめていた。分数指導において具体物を利用しての量の概念の不正確な理解を感じとれる。それに加えて、数直線などでの目盛りの読み方の訓練も必要である。
4 量と測定
この領域で正答率が30%をわった問題は
・長さ、面積、体積の各単位の関係の理解
・重さの単位と単位体積の水の重さの関係の理解
・円柱の表面積を求めることの3つである。この領域での指導のねらいは、メートル法の特徴やそのよさを理解させるところに大きな意義があり、数量の取扱いを能率的に活用させるために、日常生活で経験できるものと関連させた取扱いがたいせつである。「長さ、面積、体積の各単位の関係の理解」の問題は
である。標本調査の結果は
(1)では 正答率 27% 無答率2%
誤答のうちもっとも多かったものは(100)としたものが55%、(10)としたものが8%、(1000)が3%であった。(2)では 正答率61% 無答率3%
誤答のうちもっとも多かったものは(950)が13%、(0.95)と(9.5)が8%となっている。(3)では 正答率43% 無答率5%
誤答のうちもっとも多かったものは(0.63)が18%、(63)が15%、(630)が8%、(6300)が4%であった。これらの結果から考察すると
メートル法の単位のしくみの特徴として・補助単位が十進法のしくみによって決められていること。
・基本的な量をもとにして他の量の単位が誘導されるしくみになっている。の2つの性格の理解が不十分であると考えられる今後の指導において、ディメンションの問題も、単位の十進構造とともに、より効率的な指導法の改善が必要である。次に立体図形の表面積を求める問題は、問題番号6番、7番にあるが、7番の問題の正答率が低いので標本抽出をして調査してみた。7番の問題は
である。
(1)の正答率 91% 無答率 4%
(2)の正答率 57% 無答率 4%
(3)の正答率 37% 無答率 8%となっている。(1)の正答率が高いのは具体的な作業を通しての学習の結果、立体とその展開図の関係を直観的に判断できるようになっているためと思われる。
(2)の(イニ)の長さについて約半数の児童が半径10pの円の円周にひとしいことがわからないことになる。誤答例をみても60pが10%、40pが7%などとなっており、6.28と小数点の位置をまちがえたものは1%にすぎない状態である。
(3)については、6番の三角柱の表面積を求める問題が85%の正答率を持つのに対して、円柱の表面積を求める問題が37%と低率である。前者は直線図形であるのに対して、後者が円であるために抵抗があったとも考えられる。誤答例も1%