研究紀要第5号 情報処理教育講座 FORTRAN文法の手引き - 005/044page

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3  配    列

 

 いくつかの同じ型の変数に対して、それぞれ異なった変数の名前をつけず、全体を一つの集まりとして、全体に一つの集まりの名前(配列名という)をつけたものである。配列を定義するのは、つぎのいずれかの方法で行う。
 1.DIMENSION文による配列宣言。
 2.型宣言文による配列宣言。
 3.COMMON文による配列宣言。

3-1 配列宣言   配列の名前、大きさ、次元を示すために用いる。配列の名前は、変数の名前と同様に英字ではじまる6字以内の英数字である。
 配列名の型は、型宣言文が与えられない限り、整数型、実数型の型が暗黙の宣言にしたがって決定される。型宣言文が与えられれば、その型となる。
 配列宣言文は各プログラムのはじめの部分に書く。また、そのプログラム単位においてのみ有効である。
 次元の大きさは3次元までである。

〔例〕 DIMENSION A(10),B(5,3),C(4,10,7) 
    INTEGER A(10),B(5,3)
    REAL M(5,3),X(10,5,4)
    COMPLEX Y(2,4,2)
    DOUBLE PRECISION K(8,9)
    LOGICAL L(8)

3-2 配列要素の記憶装置上での順序  配列を構成している一つのデータを配列要素(array element)というが、この配列要素は記憶装置上、つぎのような順になっている。
(1) 1次元の配列の場合
 X(10)と配列宣言されていれば、X(1),X(2),……,X(10)の順となる。
(2) 2次元以上の配列の場合
 2次元以上の配列の場合では、はじめの添字がさきに変化する順になる。たとえば、X(3,3)と配列宣言されていれば、X(1,1),X(2,1),X(3,1),X(1,2),X(2,2),X(3,2),X(1,3),X(2,3),X(3,3)の順になる。
3-3 配列要素の識別  配列宣言きれた配列は、添字をつけて必要な配列要素を識別することができる。添字としては、つぎに示される添字式(subscript expression)のいずれかの形で与える。このようにして識別される配列要素は、添字をもっているので、添字つき変数ともいわれる。ただし、2次元以上の配列においては、各添字式はコンマで区切らなければならない。また、各添字式の値は、それに対応する集まりの大きさよりも大きすぎたり、ゼロ、負の値になってはいけない。すなわち、添字の下限はつねに1であり、上限は配列宣言

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