研究紀要第7号 児童生徒の生活意識と社会観に関する研究 性文化に関する調査 - 005/052page
小学校男・女子1l才で,中学校は男子13才,女子12才,高校男・女子は13才が変声や初潮の始期の平均年令である。
小学校ほどメンスや声がわりが早く早熟の傾向を示すようである。早熟・晩熟が性意識とどのように関連するかは,次年度の調査と関連づけてみよう。男子の声がわりと女性の生理について親から教えてもらったかどうかききだしてみたが,女子については,小学校で半数以上の親が教えているし,中学校にいっても 約半数の親が,指導している。男性にくらべ,女性の指導は親がしているようであるが,どの程度の指導かは,データーがえられないが,親の心配は女性に多くみられる結果である。
そして小・中・高と学年が進むにしたがって,大部分の子が晩熟型の傾向を呈しているが,年度による早熟度は,下記の表を参照してほしい。
−変声の年代的変化− −初潮の年代的変化− 昭和27年度より46年度は変声の平均年令が13才,初潮は11才のようである。一般に44年度より46年度は早熟の傾向をたどっている。
3.社会観に対する調査
(1) 今の社会をどう思う
テレビ・コマーシャルのすごく多い生活の中で子どもたちは,この世の中をどのようにとらえているか,すみよい世の中,どちらともいえない,わるいところが多い,どう考えたらよいかわからない,その他の5点について問いただしたところ男・女子10%前後がすみよい世の中と答えている
高校の男子が23%と上昇している。どちらともいえないが,男女子半数以上が,小・中とも肯定,否定の反応のいずれもが自己中心的な考えにたっていることは,明らかである。それだけに悪いところが多いとの考えは,中学校の男女子,高校と学年が進むにつれて,ずっと批判的となる。