研究紀要第7号 児童生徒の生活意識と社会観に関する研究 性文化に関する調査 - 037/052page

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風潮とともに異性との接触も多く異性への意識はすでに目ざめているといえよう。

 児童生徒たちが何を求め,何を知りたがっているのか。
 同性や異性の好きなタイプ,男女交際の程度,純潔観,防ぎょ姿勢などについて調査してみた。

 おとなに匹敵する情報量,知識量をふまえて,すでに目ざめている児童生徒であれば科学的なアプローチが必要であろう。

 性教育を生物学の一環とし性教育の中に美意識をもたせるとか教育的効果を考えねばなるまい。
 それにつけても男女の理解と感情の共感のなりたつ道理の裏づけが必要になるであろう。異性意識も感情的なつながりでなく,心のむすびつきが,だいじになってくる。

 生徒たちのそれぞれの年令に対応した実態をつかみ,理解しえたことは,えがたい前提条件になった。それが将来社会人としての望ましい人格とはあるいは人間像についてどのような心像を描き,自己の好きなタイプはどういう人か,どんな交際にすべきかなど役立つ資料がえられた。

 それが男女ある時期だけに限って指導してすむものでもない,またある時期だけに限って行なわれ,一段落がついたとほおっておくようなことでもないと思った。
生まれてから育つまで成長のあらゆる時期にわたって指導の手を伸ばすべきだと思う。

 ふたつめは,理想とする社会をにない発展させるためにふさわしい男女の行動ができるように,社会習熟のための訓練であるとも考えられた。

 純潔観や防ぎょ姿勢などという形で眺めてみたが,個別的な解剖上の男女でとらえることや常識的な意昧の男らしさ,女らしさを育てるのでなく,性別に関係なくその人に内包する機能,資質を育てるのだとも調査にあたって痛切に思われた。

 子どもたちには,自分の心やからだの成りたちについて理解し,身体的,心理的なちがいを気づかせ,人間の生活に必要な個人の健康と家族間との生活,対人関係を円滑に進める社会習慣を身につけてやりたいと考えている。

 みっつには,男女に関する(性)科学的な知識を与え,子どもたちの好奇心,疑問,不安をとりのぞき,年令に応じた特質と能力を自覚させることだと考えられる。

 やがて,かれらの進度に応じた適当な道標を示し,その進路をはばむ障害をとりのぞき,自己の目標にむかって何のちゅうちょもなく進むことのできる助力が必要と思われる。

 それにつけ子どもたちの成長をさまたげるいくたの障壁をぶち破り,挫折感を昧わうことなく迷わずに育むことが,われわれおとなたちの責務ではなかろうか。

 

 IV 性行動への反応

 1.スカートめくり

 よく学校でスカートめくりをして叱られる男の子があるが,それについて友だちと話し合い,つぎのような意見にわかれた場合,どの意見が賛成かききただしてみる。

  1.みんながよくする遊びだから,叱らなくてよい。
  2.ハレンチマンガなどのせいだから,社会が悪い。
  3.女の子をきずつけることだから,叱られるのはあたりまえだ
  4.スカートめくりをしてなぜ悪いのか,わけがよくわからない
  5.その他 (高校のみ追加する)

 上記の5項目で調べてみたところつぎの結果がでてきた。


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