研究紀要第8号 教授組織に関する研究 実践編 - 000_02/029page
ま え が き
社会の進展は,生産構造や生活様式を改変させている。このような現象は当然学校教育にも反映し,教育内容とともに方法・技術の抜本的な改善が要求されている。このような課題に対して,学校教育をふりかえり,組織活動としての機能の発揮をはかることにより解決しようとして,教授組織に関する研究を取り上げることにした。
この研究をはじめて4か年を経過している。第1年次は基礎研究として,県下の各学校における組織機構ならびに教育活動の実態と問題点をとらえ,具体的な研究方向とその内容を明らかにした。その結果は,「教授組織に関する研究」第1集として報告したとおりである。第2年次は,実証研究として,福島市立吉井田小学校を実験学校に委嘱し,ご協力を得て,協力組織体制とその活動のあり方についての方向づけを得ることになる。第3年次には,さらに関係機関や現場の要求に応じ小規模少人数学級校における教授組織のあり方を究明するため,安達町立下川崎小学校を実験学校に委嘱し,一体となって研究を続け,その結果は「実践集」としてご報告した次第である。
本年は第4年次として,協力組織体制における教授過程とその役割・分担活動のあり方を究明することになる。
今回一応のまとめをし,その一部をご報告することになったが,今後の研究に残された問題が多いので,ご活用のうえ,ご批判,ご指導をいただければ幸いである。最後に今までご協力下さった両校に敬意と感謝を申し上げたい。
昭和48年3月
福島県教育センター所長 白 岩 和 夫