研究紀要第9号 児童・生徒の社会認識に関する研究 男女交際・性意識についての考察 - 001/020page

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児童・生徒の社会認識に関する研究

−男女交際・性意識についての考察−

 

T 調査研究の趣旨

 標記の研究テーマについては,すでに第1年次のまとめを発表したが,今年度は,昨年度にひきつづき児童・生徒の社会認識に関する研究で,男女交際とそのあり方,性に対する意識,性情報に対する反応,さらには性意識は,どのようなメカニズムで発達するかなどを,調査をとおして明らかにし,今後の児童・生徒の理解や,性に対する適切な指導のための基礎資料をえようと考えた。

 性の問題にはタブーが多く,ときには不潔感や卑狼感がともなわれることもあり,性を単なる享楽の手段や生理的なものとしてとらえる見方もある。正しい生き方,望ましい人間関係と性問題をどのように関連づけてゆくかは,重要なことである。

 そこで今回は,性意識や行動は,その人の文化的環境からみた社会認識と密接に組みあって形成されるものと思われるので,まずマスコミや子どもをとりまく社会環境の中での性問題をどのようにうけとめて,性意識の変容がされたかを分析的に究明しようとしたものである。


U 調査の経過と方法

 本調査は,昨年度実施した性意識調査内容を参照し,さらに補充・拡大した。調査構造を下記のごとく考えて第2年次の追調査を試みた。

〔調査の構造〕

調査の構図

 調査対象は,小学校6年,中学校2年,高校2年生を選定した。それぞれ思春前期,思春中期,思春後期に該当する学年と考え,地域性は,都市部と農村部にわけて実施した。

@調査期日 昭和47年10月上旬
A調査方法 学年抽出による質問紙法で,一部に面接調査も加味する。質問調査は,各学校に依頼して実施した。
B調査対象と標本数
都市
農村
総計
小学校6年
50
62
54
52
104
114
218
中学校2年
67
72
41
44
108
116

224

高校2年
41
50
50
50
91
100
191


V 調査結果の概要と考察

 単純集計から考察を試みたが,附帯調査として兄弟の数,居住地,性用語の理解状況などの調査は,紙面の都合で一部割愛した。なお発達段階による推移をみるため,小・中・高の調査を並列して表示した。

1. 学校や家庭生活での適応状態は,どうであろうか。

 〔調査1-1〕 あなたは,学校や家庭生活で,いやなことやいらいらすることがありますか。

(小学校)

(単位%)
都 市
農 村
ア.いやなこと,いらいらすることが多い
8.0
3.2
9.3
3.8
8.7
3.5
イ.ときにはいやなこと,いらいらする
64.0
53.2
72.2
57.7
68.3
55.3
ウ.たのしいことが多い
14.0
30.7
14.8
30.8
14.4

30.7

エ.あまり感じない
14.0
12.9
3.7
7.7
8.6
10.5

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