研究紀要第9号 児童・生徒の社会認識に関する研究 男女交際・性意識についての考察 - 010/020page
性や男女のことをとりあげることは,みる人がきめるのだから自由にのせてよいという風潮は,今後ますます大きくなると思うし,その反面,よいものだけのせてほしいという意見が,30%前後ある。のせないでほしいというのは,中学生時代―思春中期の性や異性に関する抑圧のメカニズムが働いているためとうけとりたい。みることがないので,どちらともきめがたいのが,小学生ほど多く高校生になると低率になるのも,どんな内容かみてない小学生には,どちらともいえない答えとなるのは自然なことであろう。要は,おとなが考えるほど,意識が正しく育っているのか,正しいかたちでうけとめる態勢なのか,考察を加える必要があろう。
〔調査4〕 少年・少女雑誌によく知られている人のうわさ話がでていました。あなたは,それを読んだとしたらどう思いますか。
興味本位にうわさ話を知らされて,小学校で信用する者は,男35.5%,女47.3%,中学校男35.2%,女40.5%,高校男34%,女48%(だいたい信用する数も含む)であるのをみても,小・中・高のとらえかたの変化はあまりない。しかし,男女別に考察を加えた場合には,男性に比し女性がうわさを信じやすい傾向が強くみられる。ほとんど信用できないととらえているのは,小・中学校の差はないし,高校になると42.9〜51%と半数に近い者が,信用しないという点は正しい批判と態度が育ったものと思われ,喜ばしい。それにつけ与えるものの責任と,人間形成の発達へつながる話題がでているのかどうか考えさせられる問題である。
〔調査5〕 少年ジャンプ9月18日号(小・中学生),プレイボーイ(高校生)を読んだことがありますか。(面接調査)
(単位%)
小学校 中学校 高 校 男 女 男 女 男 女 よんだ人 100 100 100 85 90 60個別面接による調査を試みたが,左のような状態であった。小学生は,全員読んでおり,高校女子はやや低率だが,プレーボーイの外に,平凡,週間明星,セブンティーン,女性自身,女性セブン,主婦の友などが,それにかわるものであることがわかった。
〔調査6〕 上記の本をみてどう思いますか。(面接調査)