研究紀要第9号 児童・生徒の社会認識に関する研究 男女交際・性意識についての考察 - 013/020page
中・高校生の情報源は,雑誌,友だちよりえているようであるし,これらよりうける影響が性知識の源泉となっている。大きくわけると友だち,おとな(先輩),その他の3つにわけられるが,友だちが最高で,28〜36%前後みられる。学校,家庭という子どもの育つ環境でえる知識は低率である。
目でみるものの中では,雑誌が大部分で,ついでテレビ,単行本となり,系統的知識より断片的知識に左右されやすい状態である。
思春期の子どもが特に性のおもしろさやおかしさに過度に反応し,深夜放送よりきくことばが性知識を左右している状態も面接より知らされる。●まとめ
性に関するマスコミのとらえ方を調査してみたが,いかがわしい雑誌と思っても子どもたちは,読むことは本人自身だし,取捨選択して読み,情報の早い音楽めんのニュースとか自分の知りたいと思う性知識(女性や男性のからだのこと)とか情緒不安になやむ場合のなぐさみにとらえている状態が多くみられた。
こんな子どもたちへの理解を深め,それが親子の心のつながりへ発展し,話し合いの糸口を家庭や学校へ求めようとする姿がみられる。
まず家庭環境が,性意識を健全に育てるための配慮と,ときにふれて良書やスポーツ,趣味の懇談をしたり,生活態度のアドバイス,人生相談と明るい生活の中にふれあいを求めるように考えていかなければ,興味はいっそうマスコミヘむくだろう。
よき父母の姿が,子どもの指針となり,生活のめやすとなって自己確立を容易にし,人間形成の場をつくるに最善の環境が生まれるようのぞみたい。4.現代っ子の性意識はどうだろうか。
〔調査1〕 性のことでわからないことや悩みができたらどうしますか。
性知識源となやみの関係を関連づけると相互理解もできるが,学生ほど親や兄弟の身近かな人へうちあけるが,高学年になるほど友だちとか,本などへ頼りぎみとなる傾向であり,男女による差異が調査にみられた。
先生に相談するは低率で,子どもの立場へたたぬ指示や解放的ふん囲気の話し合いでなく規制がでやすいのだろうか。教師の経験を参考とし,自己の態度を見直す機会と影響を与え,よきアドバイスをするよう反省すべきときである。