研究紀要第10号 教育相談の事例に関する研究 教育相談の概要と面接・通信の相談事例 - 001/022page
ま え が き
近来,カウンセリングは,学校だけでなく,銀行,会社,官庁などにもとり入れられ,各種の立場の人たちが集って研究会を全国的に展開している現況である。
人間尊重・人問回復の教育が叫ばれているとき,教育相談が全国的に普及し,教育研究機関においてこれを担当する場合が飛躍的に増加していることは喜こばしい限りである。
本センター発足と同時に教育相談をつぎのようにすすめてきた。
1 教育相談についての小・中・高校教員の研修を行ない,その普及につとめる。
2 教育相談の質的な向上をはかり,その充足発展を期するため,臨床的研究を実施する。
3 本県内の小・中・高校生の教育相談に応じ,問題に即した調査・診断・治療に当る。
4 学校における教育相談活動援助のため,講演・判定・事例研究などをすすめる。
5 適切な教育相談を行なうため,病院・児童相談所など専門機関との連絡提携をすすめる。
本書では二年間の実績をもとに,教育相談活動の概要と面接・通信相談の事例をわかりやすくまとめ,はじめて教育相談をする先生方には,教育相談の流れをご理解いただき,また教育相談の経験豊富な先生方には,たりないところを補っていただく資料として,各方面のご批正をいただくとともに,学校における教育実践にご活用いただけるようお願いする次第である。
おわりにあたり,教育相談のためにご協力くださった関係機関に対して,深い感謝の念を抱いている。ここにつつしんでお礼申し上げる。
昭和48年3月
福島県教育センター所長 白 岩 和 夫