研究紀要第10号 教育相談の事例に関する研究 教育相談の概要と面接・通信の相談事例 - 021/022page
付 親子関係と問題行動との関連
(1) 一覧表
態度
内容 分類型 態度内容の説明 親の態度子供の問題行動
T
拒
否1 積極的拒否型 子供に対する事情や態度に拒否的傾向がある場合
●子供への愛情欠如
●援助拒否
●子供に対して無視
●表現の欠陥体罰・虐待
威嚇・屈辱
過酷な要求
保護養育の責任放棄乱暴・攻撃
神経症的傾向
異状行動
心身の発達遅滞2 消極的拒否型 無視・放任
無関心・不信用
悪事情
不一致等注目牽引
非行 U
支
配3 厳格型 子供に対して過度の支配力をもつ親で、子供は親の所有物とみなし絶対の権力で統制しようとする態度。 厳格・頑固・強制などの態度をとり命令,禁止,批判で絶えず子供を監督している。 意欲がない
性的不適応をおこしやすい。
劣等感一時のがれのうそ4 期待型 親の要求や野心を子供に強要する態度で素質・能力適性希望の無視,親の要求する方向や水準に従わせるタイプ。 学業,訓練に抵抗
現実面から逃避することが多い。
不適応感 V
保
護5 干渉型 子供に対して心配、不安、恐怖を抱いている親は過保護によって解消しようとする。物事を冷静に合理的に処理する態度に欠け感情的行動をとりやすい。親は極度の過保護となって現われる。 子供をよりよくするために細々とした世話をやきできるだけの助力や指図を与えようとする。 心身の発達遅滞
依頼心強く
忍耐力に欠け
責任転嫁6 不安型 子供の日常生活・学業・健康・交友関係,将来の進路などに心配や不安を抱き過度の援助や保護を与えるタイプ。 社会的成熟遅れ,ひっこみ思案で狐独になり易い
外界に対する恐怖
社会不適応神経症的傾向 W
服
従7 溺愛型 子供の要求や主張は何事であれ無条件で受け入れて満足している。
愛情過多,服従的奉仕によって満たされない事情を補っている。かわいがりすぎ,必要以上にかわいがってやり悪いことでも昧方になる。 幼稚(幼児的な特徴)
自己統制が欠ける。8 盲従型 一切の権力を子供にもたせ,親はどんな犠性を払っても子供の要求を入れてやろうとするタイプ。 己中心的,抑制力不足
非協調性,性的発達
社会的技術−幼稚
忍耐力なく,無責任 X
矛
盾
・
不
一
致9 矛盾型 一人の親が時と場合によりしつけや態度に矛盾をきたしたりまた両親の態度が一致しなかったりして子供は激しい混乱に陥しいれられる。 同じ行動に対してあるときは叱責禁止し,ある時は見逃し,奨励したりするような一貫性の欠如している態度。
規律正しくない
絶えざる緊張,不安
神経症的な問題
反社会的傾向10 不一致型 両親の態度が一致せず,子供が両親から異った取扱いをうけている。 激しい反抗心
社会的傾向
ひっこみ思案−残忍冷酷
極度の非行※田研式親子関係診断テストの手引の内容から理解しやすいよう一覧表にしたものである。