研究紀要第11号 学習指導改善に関する研究 理科実験器具の作成 - 006/024page

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 A 製作の手順・留意事項
 シンクロスコープなどによる観察に使用することを考慮すれば,交流の誘導などをできるだけ小さくする必要があり,そのためにシールド,特にIsolating Trans.の部分を完全にすることが要求される。
 その他の部分は,シャーシ内部に組み込むだけで十分目的を果たせる。
 どんな半導体素子でも同じであるが,UTJの半田づけは素早く行ない,熱をあまり加えないことが望ましい。

3.使用法

 @Frequency 〜 Repeat
 100KΩボリュームと5μF,9μFのコンデンサーの組合わせにより,約1回/sec〜50回/sec位の間を任意に変化させることができる。これにより,筋の強直の際の刺激回数などを求めることができる。
   Frequency 〜 Single
 100KΩボリュームと9μFの組合せで,1回//sec.にし,プッシュスイッチを素早くおすと単一刺激が得られる。これにより,筋のれん縮の観察ができる。
 
 AAttenuater
 Attenuaterのロータリースイッチをアース側から切りかえることにより,出力電圧をOVから約20VP-Pまで変化させることができる。しかしこれは出力側に接続する筋・神経などのインピーダンスによって変化することを考慮しなければならない。
 
 B出力の極性
 Sを切りかえることにより,出力パルスの極性を変化させることができる。したがって,これを利用すれば,刺激電極をつけかえることなく,刺激点を変えることができる。
 
 C神経幹からの活動電位の導出

神経幹からの活動電位の導出 刺激装置の同期出力を利用する方法として神経の活動電位の導出がある。刺激装置のSync.outとシンクロスコープのTrigger-inを接続し,神経の活動電位は,プリアンプで増幅して,シンクロスコープに入れるようにする。このようにして刺激を与えると,シンクロスコープは,刺激と同期した信号によっって,Sweepされることになる。したがって,ブラウン管の左端で常に刺激が与えられることになるから,活動電位は,ブラウン管の中心部分に現われ,観測がしやすい。
 この実験は,かなり大きな増幅度をもつアンプを使用するので,交流の誘導が混入しやすい。これを少なくするため,全部の装置を金属板に乗せ,完全にアースする。

 

4.参考文献

@ トランジスタ技術 1972.11. CQ出版
A 電気的実験法    本川  南出堂
B 医学エレクトロニタス入門
               中山  南山堂
C 生理学実習 東大医学部  南山堂


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