研究紀要第14号 児童・生徒の社会認識に関する研究 マスコミ文化・男女交際についての考察 - 005/022page
ショー,クイズ,ゲームなどに集中しているようである。
要するに,生活態度に対するテレビの影響は,少なくとも杜会化の比較的早い小学生の段階においては,無視し得ないものであるし現代社会の文化,道徳的価値パターン,社会生活一般の作用がより早いスピードで変化するとみてよいであろう。
その結果が小,中,高生の成長に何をもたらすかの疑問は,手掛りがえられなかったが,今後の問題として検討すべきであろう。表3.テレビを見るのは,どんなときが多いでしょうか。
学 校 小 学 校 中 学 校 高 校 都 市 農 村 計 都 市 農 村 計 都 市 農 村 計 男 女 男 女 男 女 男 女 男 女 男 女 男 女 男 女 男 女1.見たい番組のあるとき 63.3 64.1 64.1 79.5 63.7 70.3 65.7 87.9 65.3 77.6 65.5 82.4 60.0 68.0 46.0 76.0 53.0 72.02.気分をかえたいとき 1.7 1.5 4.7 4.6 3.2 2.7 4.5 1.7 4.1 3.0 4.3 2.4 2.0 2.0 0 0 1.0 1.03.家族でみるときいっしょに見る 6.7 6.0 14.0 6.8 10.5 6.3 3.0 3.5 2.0 1.5 2.6 2.4 2.0 8.0 4.0 6.0 3.0 7.04.なにもすることがないから 10.0 4.5 9.4 6.8 9.7 5.4 11.9 0 12.3 11.9 12.1 6.4 14.0 10.0 26.0 8.0 20.0 9.05.見るのがくせである 18.3 22.4 6.3 2.3 12.1 14.4 13.4 6.9 16.3 6.0 14.7 6.4 16.0 12.0 24.0 10.0 20.0 11.06.その他 0 1.5 1.5 0 0.8 0.9 1.5 0 0 0 0.8 0 6.0 0 0 0 3.0 0児童・生徒がテレビをみるのは,どういうときかを調査したところ,半数以上のものが,みたい番組のあるときと回答している。男子よりも女子のほうが,どの学年でも要求度が高いようである。以上のように問題意識をもってテレビをみる場合は,小6より高2のあいだにあまり著しいひらきはないし,かえって高2の男子が,テレビ視聴は少なくなっているのは,男子の方が,女子より時間的余裕がないのか,とりたてて指摘すべき理由が見当らなかった。
「見るのがくせである」と習慣的な見方は,女子より男子が多く,この点特に家庭の視聴指導を(長時間みないとか,夜ふかしをしないみかたなど)特に望みたい。また子どもが好んでみる番組(見たい番組)を教師,家族がいっしょに見る態度は,2.4〜10.5%の状況で,みんなで観賞し望ましい方向へ導いていくことこそ,教育における基本的な仕事だと思われる。なにもする仕事がないからテレビをみるというのが女子より男子の,中,高校生に約2倍みられるが,適切に内容をとらえて選択的見方の指導をすべきであろう。
図4.テレビを見る時間は,さいきん多くなってきたでしょうか。
テレビ所有率が高くなったが,その視聴率は反面少なくなってきたという小,中,高生が半数以上をしめている。ただ多くなってきたと回答した子は,2.4%(中,女)〜12.1%(小,男)であるが,テレビ益と認めるものは,知的発達促進の機能であるととらえるが,テレビ視聴時間は,テレビの見方,内容に対する判断などと関連がある。テレビ視聴に関する指導は視聴時間という表面的