研究紀要第14号 児童・生徒の社会認識に関する研究 マスコミ文化・男女交際についての考察 - 022/022page
を意識して行動しているだろうかききただしてみた。
まず教室掃除の場合は,性別役割による分担はうすく,また「自分で掃除をするのが仕事である」ことに気づくのも困難のようである。仕事の分担は,20%ぐらいみられたが,理科学習となると30%ぐらいになるが,女性は,実験の危険から遠ざかり消極的学習ぶりで,メモをとる程度となっている。高校にきて学問の道に男女差があってはならないと気づくが現状に甘んずる態度も女子に多くみられた。
家庭生活の調理になると比較的男女の役割に区別がみられるが「男は家の外,女性は家事で子どものために尽くす」という役割認識は大で,結婚したら家にいて尽くすことが,女性の幸福と考えるパーセントが高い。
以上のことから○学年的発達段階に伴って,性意識は強くなるが,女性が特にその傾向は顕著になる。
○性別による仕事の分担は,小学校高学年で芽生え,中1年をピークに自覚はするが個人差が大きい。
○家庭生活のモデル場面では,性別役割を決めるが,学校系列(掃除)の役割分担は薄い。
これらの結果から性意識の特性は,個人差,年令差,知識の不安定さがあらわれ,現代の過剰といえる情報,家庭の世相が影響しているのが随所に感じられた。
そこで,真の愛情にねざした男女の平等とは何かを理解し,現状のなかから人間としての生き方をみつめ,人間尊重の精神に立脚し,家庭・社会と連携をとり,調査の実態をふまえて「入生観教育」への対策を教育の他領域と同様講じなければならない重要な時期である。(担当者 金 木 和 子)
===== 参 考 文 献 =====
家庭教育講座 思春期のfどもの導き方 ……… 暁教育図書株式会社性教育指導事典 ……… 帝国地方行政学会性教育学 ……… 明治図書性を考える ……… 講談社人間の性 ……… 白水社青少年白書 ……… 総理府青少年対策本部編中・高校生の人間関係及び生き方に関する調査 ……… 富山県教育研究所