研究紀要第14号 児童・生徒の社会認識に関する研究 マスコミ文化・男女交際についての考察 - 021/022page

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W まとめ

@ 児童・生徒のテレビ視聴に対する意義と行動について全般的にみて社会化の過程を経ていることは事実である。つまりテレビより社会情報,生活情報を知り学ぽうとする態度があるし,選択的な見方をしようとしている。いちめん習慣的な見方や漠然とみる見方があり,中・高校生は,テレビ視聴が少なくなりテレビ離れの現象がみられる。これは,一時的凝次ばなれ現象とみてよいであろう。要は,テレビの内容と視聴時間との関係に左右されるが,表面的指導に終始しないで,子どもたちの意識にくいこむ指導の重要さを考えさせられる。

 ●子どもの社会化の状況は,発達段階に伴って進展せず,娯楽,レジャー的要素が多く自己中心的である。

 これらの問題点を考え指導の必要があろう。

A つぎに異性に対する意識と男女交際の様相を生活の側面から追求してみたが,児童・生徒たちは,日常生活のなかで,小学校はごく自然に育ってきている。中・高校生になると男女交際の観点から眺めるために,異性に憧れをもっているが,周囲が正しく理解しえないで放任型と拒否型が,全体の77%もあり正しく育っているとはいえない。それで中・高生の男女交際は,異性と交際を強く望むタイプと憧れとして終わるタイプと静かにして強い関心を抱くことなく送るタイプの三者の型がみられる。いずれにしても根底には清らかな眼で異性を観ていることは事実であるが,中・高生の約4割が異性の友人をもち,そのうち高校女子では,約4割が年上の男性と交際している。また交際について明確な判断基準はみあたらない。それは単にザインの問題でゾルレンではないからであるが,如何になすべきか考えなくてはならない時期にきている。

 ●現在,性教育が必要であると答えた教師は,78.7%であった。(教育センター研修生94名調査)しかしその考え方や意識については年代的に相当な開きがあり,共通見解に至っていないが,上記のパーセントが示すように殆んどの教師はその必要性を痛感しているとみてよかろう。
 子どもたちの性への目覚めが早くその成熟度なり現在おかれている性的環境を思うとき学校における性教育を強く迫られている。

 ●つぎに教師として性教育の最大の障害と不安は何かをあげてもらった。教師の73.4%が,次のような反応を示してくれた。

a 性教育の内容が問題である。
b 実際の指導担当者になり手がいない。
c 年令構成で断層が大きい。特に中年層が少ない。
d 教師の研修がふじゅうぶんである。
e 性教育について無関心な教師が多い。
f 何をどこから手をつけてよいかわからないo
g 性教育そのものに抵抗を感ずる。
h 性教育の理念や目標をは握するまで時間がかかる。
i 教科指導を第一に考えがちである。
j 科学的に教える能力をもつ教師が少ない。

 上記のように指導内容は握の困難さ,教師の無関心さ,研究不足などを訴えている。
 これは,1教師の意識ととりくむ姿勢の大事さ,2条件整備をする(資料その他),3不安感や閉鎖的態度は,性教育の妨げとなる。4教師と児童相互の信頼と認めあう人間関係が性教育をスムーズに効果のあるものにすることを如実に物語っているといえる。

B さいごに面接調査で,男女の性について教えてほしいことを聞きだしてみたが,小・中学生は,肉体的変化に対する生理的なことがらが多く,高校生になると対人的なことが加わり,性情報に対する不安が心理的な悩みとなることがうかがわれた。
 家庭生活をしていくには,男女ともども健康であり,自分の能力を最大限に発揮し楽しく生活したい欲求はあるが,生活場面で男女の仕事の役割


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