研究紀要第16号 学習指導改善に関する研究 理科実験 - 000_02/020page

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ま   え   が   き

 理科教育現代化がさけばれて以来久しくなりました。そしてその主張をくみとった新しい指導要領がつくられ,「探究の過程を通して科学の方法を習得し,創造的な能力を育てる」ことを目標に,小・中・高校とも新しい教科書による指導が始められております。教材は幾分精選されたようでありますが,内容はかなりむずかしくなっております。従来高校であつかっていた教材の一部が中学に下がってきたり,中学校から小学校に下がった教材もあるわけです。各学校における先生方の御指導もさぞかしたいへんなことと考えております。

 理科は,実験や観察を通して得られたデーターから自然界の規則性や,隠された真理を追求してゆく学問です。科学の方法の習得を急ぐあまり,実験を省略し,データーの処理だけを練習するような学習は,とんでもない誤りだと思います。

 当教育センターでは,教材をうまく指導するのに,どんな実験を計画したらよいか,どんな器具を製作したらよいか,良い実験結果を得るためにはどこを注意して実験すべきかなど常に研究しております。本年度の研究の一部をまとめて,ここに紀要16号としてお手もとにお届けいたします。

 ぺージ数が少なくて充分ではありませんので,内容の不分明の点や,材料の入手法などご質問くだされば,いつでも御返事申しあげます。この研究がそのまま授業に生かされるとは限りませんが,学校の実情に合わせて取捨選択され,理科指導上に取り入れていただければ幸いと考えております。

 昭和49年3月

福島県教育センター所長 白 岩 和 夫


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