研究紀要第16号 学習指導改善に関する研究 理科実験 - 002/020page

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図−3

3.星座モデル投影板(図−4)

 OHPを使って教室の黒板上に星座のモデルを投影し,その動きを考察させるものである。

 星図を用意し,おもな星座(小学校で学習する範囲のものだけでよい)を白紙に写しとる。北天は赤緯+40度以上を,南天は赤緯−50度から+50度ぐらいまでが適当である。(図−5,6がそれであるが,これを拡大して利用すれば簡単である。)厚さ1oの黒色塩ビ板(大型下しきでもよい)を円形に切り,星図を写した紙をはりつけ,紙の上から星の位置にドリルで穴をあける。

 穴の大きさは,星の明るさに応じて,1等星以上とそれ以下の2種類にする。北天用の方は,これを北の地平線を入れたTPシートの上に鳩目(北極星の位置になる)で止める。南天用は,星座板の下半分(地平線以下)を,別の黒色塩ビ板でおおうので,両方の板を図−4のように重ねて鳩目で止める。

 北天,南天とも,このままで投影すると,星座を判別することがむずかしいので,星座別にカラーシートを穴の上にはりつけ,着色しておくとわかりやすい。無色のままでも投影したいときは星座別のカラーシートを別のTPシートにはりつけておき,必要に応じて星座板と重ねて投影する。また,実際の星の色に近いカラーシートを使って,色の目立つ星を着色しておけば,星の色の指導(4年)にも使用できる。

 これらの星座板をOHPで投影することによって,一見無秩序に見える星を,いくつかの集まり(星座)としてとらえさせ,さらにこれを回転して時間と位置の変化や相互の位置関係が変わらないことなどを考察させたり(5年),北天,南天の星の動きなどを考察させる(6年)ことができる。また,黒板に東,西,南,北の方向を表示し,その上に拡大して投影すれば,時間の経過にともなう星の動き方などを黒板上に記録することができる。さらに,星座板の周囲に時間のめもりを入れて,星の動きを,より定量的に考察させたり,季節ごとの太陽の位置も投影できるようにすれぱ,太陽の動きとの比較をさせることもできる。

  図−4

図−4 TPシートに星の穴をあけた円形の黒色塩ビ板を重ねその中心(北極星)を鳩目でとめる。
 TPシートには不透明シートで風景を入れる。矢印は日周運動の方向である。

 南天の場合は,下半分を長方形の黒色塩ビ板でおおい,上の部分の星だけが投影される。



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