研究紀要第17号 学校経営の改善に関する考察 現職研修 - 001/014page
T 研究の経過
「学校経営の改善に関する研究」は,昭和46年度にとりあげられ,以来今日まで継続して研究されているものである。これまでの3か年の経過を,福島県教育センター研究紀要の中から抜すいしてあげると,およそ次のとおりである。
1 第1年次(紀要第1号)
(1) 研究のねらい
学校組織の領域を教授組織を中心として,事務組織,運営組織とし,その経営を共同の責任と相互の役割をもつ統一体とし,継続的な統括作用が行なわれるよう経営過程を検討し,「効果的・効率的な学校経営のあり方」として,今後の学校経営のビジョンを明らかにする。
そのための視点を次のようにする。
@ 社会の要請に応じられる機構
A 経営機能をめざした組織体制
B 組織集団としての活動
(2) 研究内容
学校組織の概念を学校での活動を遂行展開する構造,または「わく組」であるとした機能的にうけとめているのか。構造的に働く秩序の体系とした過程的なとらえ方をしているのかを明らかにし,さらにその教育活動に関係する諸要因の機能的構造を究明する。
また,学校組織の動態化としての学校経営については,領域的に,機能的に,あるいは統制作用としての役割をもつなどと規定することができようが,学校教育本来の目的を効果的に達成させるためには,機能的にとらえ,協力活動による努力の体系としての統制作用が可能な学校経営が考えられよう。そのための条件整備や活動を明らかにする。
(3) 調査
上記のような問題意識のもとに,県下の小・中・高等学校の経営の実態を調査し,本県における学校経営の現状と理念を明らかにしようとする。
2 第2年次(紀要第7号)
(1) 研究のねらい
研究に当たっては,学校組織と学校経営を区別し,学校組織を教育活動に関係する諸要因の機能的な構造,または「わく組み」とし,学校経営での協力活動の役割を組織内で調整し,体系化する作用であるとする。このような考え方から学校組織を根底として,これを動態化する意味で学校経営をとらえることにした。
学校組織を教授・学習組織と事務組織,運営組織とし,各系列の機能化とその統制のあり方を追求し,今後の学校経営のビジョンを明らかにする。
そのための視点を次のようにする。
@ 教育目標の管理過程と具現化体系
A 社会の変ぼう,要請に対応する機構
B 経営の機能化をめざした組織体制
C 組織成員の協力体系と活動
(2) 研究方法
学校経営の現状は握のため,さきに県下の小・中・高等学校の実態を調査し,その結果を「調査編」として資料の提供をしたが,それを基にし,追跡調査を重ねて現実的に究明しようとした。
3 第3年次(紀要第12号)
(1) 研究のねらい
研究を進めるに当たっては,学校経営の条件を細分化するとともに規制し,「実情に即して完全学習をめざし」−(教育目標の具現化)−,「組織成員の協力により」−(学校組織の機能化)−,「努力の体系を維持する作用である」−(学校経営の本質化)−としての問題内容を明らかにし,の視点を次のようにする。
@ 教育目標の具体的な指標,その具現化体系と管理過程
A 教育の動向と社会の要請に対応する教育組織体制
B 組織相互間の協力体系とその努力の継続作用としての学校経営
(2) 研究方法
この研究は,これまでの調査資料を整理研究したものである。