研究紀要第17号 学校経営の改善に関する考察 現職研修 - 014/014page
第15表 研究内容
A……項目別割合 B……項目別選択学校数の割合(%)
小学校 中学校 A B A B(ア) 指導技術 7.9 12.9 4.9 9.0(イ)学習訓練 12.4 20.2 26.6 48.7(ウ)指導方法 30.3 49.5 23.8 43.6(エ)指導内容 6.7 11.0 8.4 15.4(オ)学習意欲 12.4 20.2 14.7 26.9(カ)学習能力 2.2 3.7 2.1 3.8(キ)指導組織 1.1 1.8 2.1 3.8(ク)指導計画 6.2 10.1 2.8 5.1(ケ)指導過程 20.8 33.9 11.9 21.8(コ)評価 0 0 0.6 1.3(サ)その他 0 0 2.1 3.8研究の中心的な内容は何かについて2つ以内で回答を求めた。その結果から第15表中のA(項目別割合)で比率の高いものをあげると次のようになる。
《小学校》
指導方法−指導過程−学習訓練−学習意欲《中学校》
学習訓練−指導方法−学習意欲−指導過程調査は選択(2つ以内)の方法をとったことも関係して小学校と中学校では比率や順位では差があるが内容の主なものは同じである。
またB欄(項目別選択学校数の割合)をみると,小学校ではまず教師側の問題(過程と方法の計の比率=83.9%)があげられ次に児童側の問題(訓練と意欲の計の比率=40.4%)なのに対し,中学校は,生徒側の問題(訓練と意欲の計の比率=75.6%)ついで教師側の問題(過程と方法の計の比率=65.4%)があげられている。いずれも授業に直接かかわるもので,これはテーマ設定の根拠が「児童・生徒の実態」「学校の重点課題」から設定されたものであり(第14表),授業研究を最も重視して共同で研究をすすめているためと思われる。研修結果を授業のうえに生かすことに各学校とも相当配慮している。
指導内容・指導計画・学習能力・評価・組織などについては,学習指導の現代化という観点から,校内研修の方向もふくめて検討を要するところであろう。
3 まとめ
この研究は,県下の小学校およぴ中学校の実態調査から,校内研修の組織面を主にしてその傾向をとらえたものである。その内容はこれまでにのべたとおりであるが,調査項目や方法など適切さに欠け不じゅうぶんな点があった。
また,研修は各学校の実情によってさまざまな形態,方法がとられており,質問紙による調査だけではじゅうぶんはあくすることは不可能である。したがって訪問による追跡調査を必要とするため,その手がかりをうるねらいもあった。
次の観点を今後の追跡調査の課題としたい。ア 研修の方針などをとおし,学校課題と研修内容や研修の方向(研修と研究)などのはあくと吟味。
イ 学校規模(職貝数)と研修方式や組織の態様との関連はあくと吟味。
ウ 研修の内容と質確保,方法と教師の意欲についての吟味検討。
工 校種別,または同一種別の学校における規模別にみた研修の特色とあり方の検討。まとめるにあたっては,これまでの研究,(担当者 内藤善次先生)をもとにした。
調査にあたり,ご協力をいたゞいた小学校・中学校ならびに関係機関に対し感謝するとともに,みなさまからのご批判,ご指導をねがうものである。《参考文献》
研究紀要第1号・第7号・第12号
福島県教育センター