研究紀要第18号 教授組織に関する考察 - 010/027page

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(5) 協力教授の形態と集団の編成

@ 基本的な考え
 ア 中集団(学級)の学習形態とし,複数教師(2教師)による授業とした。
 イ 教材および学習内容により中集団を弾力的に再編成し小集団の学習形態もとった。
 ウ 小集団は能力別(等質)集団とはせず,異質集団として編成した。

A 本時のタイプ
 ア 中集団は、題課をとらえる段階とまとめ段階における編成とする。
 イ 小集団は、実験学習をするための編成とした。
 ウ T1が全体進行にあたり,T2が児童側に立ち補助的な発問をしたり進行のパイプ的役割をした。

B その理由
 ア 実験学習を効率的にするため
 イ 資料提示を敏速かつ適切にするため
 ウ 他の一方の教師により即時評価をするため。

(6) 結果と考察

@ 児童側
 ア 児童の緊張感がなく授業が進んだ。
 イ 教師に親しみを持って授業をうけていた。
 ウ 児童相互が協調的に学習していた。

A 教師側
 ア ミーティングの時間を確保できるようにしたい。
 イ 教授分担が明らかになって教授に対する自信が持てた。
 ウ 教材観が深まり指導のポイントをおさえてスムーズな展開ができた。
 エ 機器操作,資料提示がスムーズにできた。

B 今後の課題
 ア 予備実験等の時間確保もあるので複数教師による教授過程の組み方はさらにくふうしたい。
 イ 学習成立の個別化についてはさらにくふうしていきたい。

5 学習指導事例(音楽科・5,6学年)

(1) 題材名  「ふるさと」

(2) 指導計画

@ 教材の精選
 ア 指導要領をもとに,地区のカリキュラムを検討し,児童の実態を配慮しながら,協力教授に適切な教材を精選した。
 イ 教材の精選にあたっては(内容,曲の数,曲の形態,調、拍子等),かたよりのないようにした。

A 年間指導計画の立案
 地区カリキュラムより,歌唱曲(共通題材3曲を含む)14曲,器楽曲,鑑賞曲各3曲を選定した。この学年20曲を近接2学年と合わせ,2年間にわたって配当した。

B 基調案
 効果的な題材指専計画を効率よく立案するため,各領域,時間,教材の内容配列,教師の役割分担,学習集団の形態などを内容とした基調案を作成した。これをもとに,複数教師で内容に検討を加え必要な資料を整え,分担内容を明らかにして題材指導計画の作成を行った。

C 題材
 特に次の点を明確にした。
ア 目標は,何がどの程度できるようにするか,1単位時間ごとに具体的に書き表わす。


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