研究紀要第19号 児童・生徒の発達の特徴に応ずる教育 - 001/032page

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児童・生徒の発達の特徴に応ずる教育

−家庭生活に関する技能の発達について−

 

T 調査研究の趣旨・計画

授業においていちばん注意されていることは何ですかとの質問に対して,1.わかりやすく教える,2.ひとりひとりの子どもを活発に活動させるとの解答が多かった。“ひとりひとりの子どもを活発に”させる方法には,児童・生徒の成長発達を適確にとらえ,それにみあう指導が必要なことはいうまでもない。

事実,個々の子どもの成長・発達に関する研究は,古来より数多く見られ,それなりの成果も得られている。しかし昨今の社会の急激な変動は,現在の子どもたちに大きな影響を与え,'それらの子どもたちの成長発達にも予想以上の変化を与えているものと思われる。

そのような視点から,児童・生徒の成長・発達をより適確には握することを,本研究の目的とした。

1家庭生活の基礎技能の発達は,どのような状態にあり,実際に想定された発達とどのようなズレがあるかを調査する。
2発達の実態を授業との関連においてどう指導したら効果的かを調査する。

第1年次は,発達を基礎技能という観点からとらえ,発達の要因や条件を探ることを目的として調査を行った。段階としては,質問紙による調査を実施し,調査結果の実態と,面接調査の集計に紙面を限定した。
ただ,技能と知能検査,学力検査と授業との関連は,今後の研究にゆずりたい。

 

U 調査の経過と方法

今回実施した調査構造は,下記のようにおさえた。
調査構造
また調査方法を大別すると質問紙法によるものと面接法(グループインタビュー)によるものの2つがある。前者は,上述した項目を予定の調査人員で,集計を終了したが,とかくたてまえ論的な応答に終わった設問も一部にでたので,設問の意味や文中の解釈をはっきりさせ,個人の差を確実にするために,面接法による調査を加えた。

一対一の面接では時間がかかり,被調査員とのラポートの成立がよリ困難であるので,少数のグループ・インタビューとし,できるだけリラックスした環境を構成するなかで,児童・生徒の調査を試みるようつとめた。
調査の対象と期間は,下記の通りである。

A 質問紙法

(1)調査期日 昭和49年9月上旬
(2)調査方法 学年指定で,標本は,抽出である。質問紙は,各学校に依頼して実施した。
(3)調査対象と標本数

都市
農村
合計
小学校5年
55
57
70
65
125
122
247
小学校6年
77
75
76
76
153
151
304
中学校2年
77
76
76
80
153
156
309

総計 860名

B 面接法

(1)調査期日 昭和49年11〜12月

(2)調査方法 質問紙の対象になった学年(小5,小6,中2)から,男女


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