研究紀要第21号 学校経営の研究 本県小学校における教授組織の実態 - 008/025page
●実施学年
実施学年をみてみると,学年がすすむにつれて実施比率が高くなり,特に.5年・6年に集中している。この傾向は,小・中・大規模校いずれの場合も同様である。
5年・6年に集中していることについては,指導内容に対応する教師の専門性,教科の時数週担当時数,教科の種類などが要因として考えられよう。
また,学級担任外教師の担当には,専科的担当以外に奉仕的担当(第U表の専科U)もあることを考え合わせねばならないだろう。●実施教科
主な実施教科は,規模別にみても,また全体としてみた場合でも,習字・理科・音楽・図工の4教科があげられる。
しかし,順位と比率からみると,小規模校では過半数が習字で他の教科は問題にならないが大規模校になると,習字が減少し音楽・理科が高い比率を占めている。
これらのことは,学級担任の年令・性別,教員数,指導内容,学級担任教師の担当方針などとの関連が考えられる。また小規模校は,大規模校のように,専科的担当の人的配慮をすることが不可能であることも考えねばならない。6. 学級担任専科的担当の実態
(1) 学級担任専科的担当……(第9表例示)
学級を担任している教師が,自己学級以外の2学級(年)以上にわたって,同一教科を担当する。
第9表
(第1表の交換Uと奉仕Tの場合)
・1年教師の家庭 ) (奉仕専科) ・6年教師の体育 ・5年教師の音楽 (交換専科) (2) 実施学年……(第10表)
第10表 授業実施学年
%
〜6 7〜17 18〜 全体 1 年 1.9 ・ ・ 0.7 2 〃 3.2 5.6 ・ 2.7 1・2 1.9 0.7 3 年 7.0 3.8 9.3 7.0 4 〃 13.3 12.1 10.6 11.8 3・4 7.0 2.7 5 年 32.3 34.6 39.1 35.3 6 〃 29.0 43.9 41.0 37.4 5・6 4.4 1.71・2,3・4,5・6は複式
専科的授業は,全体的に高学年ほど,実施割合が高く,第5・6学年に集中している。また授業者の原学級(何年何組の先生)と出向先学級(何年何組の授業を。)の関係を第2図で示した。