研究紀要第22号 児童・生徒の学習能力の発達 学習能力の発達と授業の研究 - 006/062page

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1 研究のねらい

 社会科については,小学校を中心として授業を進め,授業過程における子どもの動きや反応をとらえながら学習能力の形成をはかろうとして次のようにねらいを設定した。
学習目標を達成する過程で,子どもは,どのような見方や考え方をするかを授業を通してその実態をとらえる。

2 研究対象

 小学校第3学年を対象とし,単元の展開における一分節をとりあげ,その中における子どもの見方,考え方の実態を究明する。
 この地域は,福島市の新市内に属し,旧市の南方に広がるところであり,工場,住宅,農業を含む都市化の急速に進んでいるところである。しかも国道の旧道とバイパス道路に地域の中央部がはさまれた交通事情の激しい地域でもある。

3 単元の概観

(1) 単元名 すみよい市に

(2) 単元目標

 ○ 市議会,市役所のたいせつなはたらきを具体的事実と結びつけて理解させ,選挙で首長や議員を選ぶことの意味を理解させる。
 ○ 公共施設の工事を観察したり,資料を活用してそれらの施設のできる過程をまとめ,選挙で首長を選ぶ意味を市の事業と結びつけて考えることができるようにする。

(3) 指導観

 ○ この単元は,子どもの政治意識の拡大と市民としての意識の高揚を意図している。これは,ある意味で代理経験の拡 充をねらっているとも言える。
 ○ 授業の効果的な展開をはかるために,子どもの先行経験をは握し学習過程での,直接観察(経験)のし方や資料の活用,事実に即した認識過程の中で,事象についての見方,考え方の深まりやその転移の状況をさぐりたい。

(4) 構  造

構造

(5) 授業の研究テーマ

 いろいろな資料を用いて,関係的なものの見方や考え方を高めるには,どのような指導の過程をふめばよいか。

(6) 目ざした学習能力

 学習指導要領に力説する人々の活動を地域の具体的な条件と結びつける考え方や観察力,資料活用能力,関連づけや比較する能力などをふまえてこの単元として,次のように考えた。

@ 公共施設と人々のくらしの関係は握
A 公共施設の建設は,市役所や市議会のような公の働きがあることの理解
B 市長や市議会は,みんなの事を考えて仕事をしていることの理解
C 市長や議員と私たちの関係は握
D 市役所や市の議会は,市の人々のくらしと深いつながりがあることの理解

これらの事を図示すれば,次の通りである。


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