研究紀要第24号 中学校 福島県診断標準学力検査問題分析結果報告書 - 001/106page

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1 国語科における問題の構成

(1) 問題作成の基本方針

 福島県教育センターの事業のひとつとなっている診断的性格を帯びた標準学力検査問題の作成事業のひとつとして,さきの小学校を対象とする問題にひきつづいて作成したのが,この中学校を対象とする問題である。
 この学力検査は,それぞれの学年において学習した結果を診断的にとらえ,今後の学習指導に役立てる資料を得るためのものである。
 問題の作成にあたっては,この目的が達成されるように,次の事がらを特に配慮した。

@ 当該学年で学習すべき国語の内容についての基礎的能力がとらえられるようにする。
 ○ 学習した結果としての学力の実態をとらえるという観点から,学習内容の習得の程度を国語の学力とする。
 ○ 学習内容は指導要領に示されている内容とする。

A 領域の観点ごとに内容をきめ,理解のようすがわかるようにする。
 ○ 習得した知識や理解のようすを考察できるように,領域の観点をさらに細かい診断内容にわける。
 ○ 問題の内容および系列をくふうする。

B 概観的な学力の診断と同時に細部にわたる学力の診断もできるようにする。
 ○ 学習内容を領域にわけ,それらの領域の目標にあった内容の問題を作成する。

C ことばに関する知識がとらえられるようにする。

(2) 領域の設定

 前述の基本方針から,領域は指導要領に示されている指導内容の領域を,そのまま用いるのが適切と考える。したがって,次の領域から問題を作成することにした。

 A「聞くこと,話すこと」
 B「読むこと」
 C「書くこと(作文・書写)」
 D「ことばに関する事項」

指導要領の総括的目標には生活に必要な国語の能力,国語の特質の理解,などとあり,生徒指導要録の国語科所見には「聞くこと」「話すこと」「読むこと」「作文」「書写」「ことばに関する知識」とあるのでこれらを観点としておさえる。

@ 国語の学習過程のなかで,「聞くこと,話すこと」,「読むこと」,「作文」,「書写」,「ことばに関する知識」を観点としておさえる。
ア 言語活動(聞く…),イ 言語要素(文法…),ウ 構成要素(文章,談話),工 言語経験(小説,記録,討議…),オ 生活技能(大意,要点…),カ 作用(理解,表現)

A 聞くこと,話すこと
アにおける聞きとりの能力や態度

B 読むこと
ア〜カが総合されたもので,的確な読解,鑑賞

C 作文
ア〜カの総合としての文章を適切に書く能力

D 書写
ア,オにおける正しく,整えて書く能力

E ことばに関する知識
ア〜カの背景となる知識


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