研究紀要第24号 中学校 福島県診断標準学力検査問題分析結果報告書 - 006/106page

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領域
観点
内容
問題番号
正答率
小問
大問
  
 
   
  2
  3
48.1
36.7
 
68.9


(2) 結果の考察

@ 概観

ア 読む領域

領域
文字
語句
文・文章
正答率
68.8%
69.8%
59.7%

イ 書く領域

領域
文字
語句
文・文章
正答率
63.3%
68.9%
47.8%

 領域ごとの平均正答率を比べてみると,次の二つのことに,すぐ気づくはずである。
 第一は,総体として「読む領域」の正答率が,「書く領域」の正答率より高いということである。
 第二は,両領域とも「文・文章」の分野が,「文字」,「語句」の分野よりも低い正答率を示していることである。第一の場合は,小学校においても同じ傾向を示しているし,一般的にいっても,書くことの抵抗度合は読むことの抵抗度合よりも高いと考えられているので,とくに記すべきことはない。
 しかし,第二の場合は考察を要するように思う。
これを小学校の場合でみると次のような結果になっている。

ア 読む領域
領域

文字
語句
文・文章
1年
84.4%
68.7%
62.1%
2年
84.7
65.3
71.5
3年
62.7
61.0
57.4
4年
59.0
58.0
54.1
5年
69.7
66.8
53.7
6年
60.9
65.6
64.7

イ 書く領域

文字
語句
文・文章
1年
75.4%
67.4%
66.2%
2年
76.8
79.3
65.1
3年
52.9
69.1
61.3
4年
46.6
59.6
52.1
5年
54.0
59.4
66.1
6年
51.8
86.6
63.8

  「読む領域」にしても「書く領域」にしても,小学校5年までは,文字,語句,文・文章の三分野の間にほぼ相関がみられるが,小学校6年からそれがややおかしくなっていることがわかる。
 中学核1年では,相関をよみとることはできなくなっている。
 このことから,次のようなことがいえるであろう。
 すなわち「文字がよめる」から「文・文章をよめる」とか,「文字が書ける」から「文・文章が書ける」ということは,この結果から考察する限りはいえないということである。
 小学校の低,中学年では「文字をよめる」ことが「文章をよめる」ことにつながるが,小学校高学年から中学校にかけては,そういうことは認められないわけである。
 この数字だけでは,その理由を推定することはできないが,高学年になると,かなり複雑な意味をもつ熟字がでてくるので,その文字をよめてもどうにもならないということや言いまわしの難解さなどが考えられよう。

A 各領域ごとの考察

ア 【1】読む(文字)
 ここでは,1文の中で漢字を読む,2 形の似た字を読みわける,3 意味の似た字を読みわける。4 漢字の音訓を読みわける,という四つの面の習得状況を見られるようにした。
 このうち1,3,4については正答率70%をこえているが,2は51.6%と低率である。@の二の3の「勤」と「勧」の読みわけである。「勤」が82.8%,「勧」が20.4%で,「勧」が読めないということがこの低率の原因であることがわかる。
 また【1】の中でも【1】の一の1,6,11,16は正答率が低い。これらの問題は,1 補う 6 漂う 11 余暇 16 捜索であるが,これらはいずれも中学1年生の日常生活の中ではあまり使われないものばかりである。
 音訓よみわけの【1】の二の問題のうち,5のイ「後日」の「後」が58.3%であるのは意外で

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