研究紀要第24号 中学校 福島県診断標準学力検査問題分析結果報告書 - 028/106page

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を活用して,具体的には握させることが大切である。

【2】 資料活用の能力
1−(1)
 長文の史料であるが,(2),(3)の史料のよみとりにっいては予想された正答を得た。しかし,「日本のいつごろのようすか」という基本的なことがとらえられていない。
<指導上の留意点>
○ 書物,文化遺産については,常にその時期における歴史上の意味・役割を考えさせることが大切である。

2−(1)
 B「平将門の乱−後三条天皇が荘園を整理する」武士が登場すると貴族の勢力がすぐ追い払われたような錯覚をおこす。藤原氏の全盛期は武士団が生れる以前のことと考えてしまう。社会は急激に変動するものでなく,徐々に推移していくことを,年表等で十分に理解させる必要がある。
〈指導上の留意点>
。歴史上の著名な事柄については,その因果関係を歴史の流れの上で十分理解させる。

【3】 社会的思考・判断
 これらの文化遺産は,それぞれの時代を代表するものであり,基本的な問題であると考える。問(1)の時代区分はできるが,(2)の特色,(3)の背景に誤答が多い。
<指導上の留意点>
○ 文化遺産等は,写真等の視覚教材によりその特色を考えさせることに指導のねらいをおく。
○ 文化を扱う際,ただ作品の羅列に終わることなく,時代的背景に触れながら意味づけをする。
 十字軍,ルネサンス,宗教改革,新航路の発見等は,ヨーロッパに新しい局面を開き,近代世界を開く契機となる大切なことがらである。宗教改革以外の正答率がとくに低かった。
〈指導上の留意点〉
○ 歴史的事象については,常に原因,結果,影響について明確にしておく。
○ 歴史地図を駆使して,視覚的に理解させるように工夫する。


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