研究紀要第24号 中学校 福島県診断標準学力検査問題分析結果報告書 - 087/106page
T 英語科における問題の構成
(1) 問題作成の基本方針
問題の作成にあたっては,次の点を基本方針とした。
@ 学習指導要領にうたわれている“言語活動"の要素を可能な限りとり入れることにつとめた。
native speakerによる聞きとりテストもその一例である。また,英文も日常の身近な内容を取り扱った文を多く用い,生徒の日常の言語活動の結果が,診断に反映できるように考慮した。
A 各学年で学習すべき語および連語,文,文型,文法事項等の言語材料を洗い出して各領域の中に有機的に網羅することにつとめた。とくに語については,学習指導要領の中に示されている必修語を中心に出題した。
B 題材は,極力生徒の身近な事象や,日常生活の中に求めるように配慮した。
(2) 領域の設定
学習指導要領に示されている領域は,「聞くこと・話すこと」「読むこと」「書くこと」の三つに分かれている。英語の学力は,これら三領域の総合的な運用能力を意味するわけであるから,調和のとれた診断をするために,各領域ごとの問題数と時間配当は,ほぼ同じ割合いにすることが望ましいと考えた。
割合は下記の通りである。
問題数 割合 時間配当 聞くこと話すこと 35問 35% 30分 読むこと 35問 35% 35分 書くこと 30問 30% 35分 計 100問 100% 100分
次に,「聞くこと・話すこと」の活動を2つの分野にわけた。「聞くこと」については,前述の通りnative speakerによる録音教材の聞き取り形式とした。「話すこと」については,語の発音や最も平易な日常慣用の基本語を使った応答が主体となっている。これは問題として提示された英語を見て,すぐに音声として口から発せられることを前提とし英語の対話の流れを問う問題である。診断テストの作成にあたっては,「聞くこと」「話すこと」は特別な場合を除いては,一連の活動であるので,前述の通り一つの領域として取り扱った。
「読むこと」の活動の問題はreading com-prehcnionを主体とした。したがって,この領域はsense group,語の読みとり,単一文および数個のまとまりのある文の読み取りなどからなり,数個の文については,対語文と物語文の2種類とし,その内容についての応答形式とした。
「書くこと」の活動は,大別するとspellingと語句および文の組立ての問題となっている。
ただし,1年生については,いろいろの符号や大文字・小文字の問題もふくめた。