研究紀要第24号 中学校 福島県診断標準学力検査問題分析結果報告書 - 091/106page

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領域
問題のねらい
問題番号
正答率%
言語活動
言語材料・内容
小問
領域
   
・anyを含む疑問文
・一般動詞で始まる命令文
9
10
64.3
43.1
 
 
全体の平均正答率
計100問
  
  
71.0


(2) 結果と考察

「聞くこと・話すこと」「読むこと」「書くこと」の3領域の区別は,【1】【2】【3】で表わし,大問〔 〕小問1,2…と表わした。
 考察は,主として上の表の言語活動の項目ごとに正答率の高い小問と低い小問を中心に検討をすすめることにした。
 小問のあとにある( )内の数字は正答率である。また〔 〕内の数字は領域ごとに通し番号となっている。

【1】 聞くこと,話すことの領域

聞くこと・話すことの領域
平均正答率
〔1〕英文の聞きとり
〔2〕聞きとった内容についての英問英答
〔3〕アクセント
〔4〕母音・子音
〔5〕抑揚
〔6〕日常慣用のあいさつ
81.2%
71.2%
50.2%
51.9%
71.2%
85.2%


〔1〕 最も初歩的な英文を聞く問題
・英文の内容に合う絵を選ぶ問題であるが,小問5(98.5%)のShe has a box in her hand.では,比較する語がbox,book,racketの三つであり,in her handは,直接問題に関係ないことなのでこの正答率になったと考えられる。

・小問6(56.1%)Alice is shorter than Lucy.比較級の問題を聞いて,直感的にとらえることは日本語でも抵抗のあることであり,まして似たような絵が三つ並んでいれば混乱する生徒の多いのはうなづけることである。誤答傾向としてはイが多くshorter than〜の聞きとり理解が不十分ということがわかる。

 従って比較級の文については,習熟するまでかなり時間をかける必要がある。

〔2〕 数個の文を聞き,内容について答える問題
・小問1(85.7%)のAlice is a student What is Alice?の質問は,最も初歩的な応答であり,放送文の最初に出てくる英文ということでこの高率になったと思われる。

・小問4(85.5%)のAlice helps her mother every day. についてDoes Alice help her mother everyday?という質問は意味が理解しやすく,yes-noで答える文であるので高い正答率になるのだと思う。

・小問3(54.8%)のShe comes home at three.についてWhen does Alice come home?の質問は,小問4と比較して疑問詞Whenの意味とat three(数字)の記憶のあいまいさに起因しているものと思われる。
 これは,誤答傾向からもうかがえるが,at seven(ウ)とした生徒もかなりいることから,低率となるのは当然の姿といえる。

・小問5(52.6%)は,正しく聞きとっても書けなければ正答にはつながらない。書くためには,聞きとる力のほかにcookes、cook'sのような誤答がめだつように,もうひとつの技能を必要とする。その結果がこのように低い正答率となったといえる。

〔3〕 話すことの活動として身近な単語を正しく発音する問題(アクセント)
 話すことの活動の分野では50. 2%と最も低い。
これは音の強弱について平板的な日本語の発声習慣から脱けだせないでいる結果とみてよかろう。
・小問1(69.1%),小問3(61.0%)は,いずれも最も身近で基本的な名詞であり,入門期に使われる機会の多い単語であることがうかがえる。


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