研究紀要第24号 中学校 福島県診断標準学力検査問題分析結果報告書 - 092/106page

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・小問2(38.0%)小問4(34.4%)は,それぞれ動詞,前置詞について問題であり,名詞よりもなじみが少なく定着しにくいものである。小問2では,小問4ではの下線部分にアクセントがないとする生徒が多かった。特に前置詞についてはfunction wordとして,耳にしながらもunstressのケースが多いので正答率が低かったと思われる。

〔4〕 話すことの活動として身近な単語を正しく発音する問題(母音・子音)
・小問1(76.3%)は,短母音〔〕と長母音〔a:r〕の問題であるが,アンダーラインの部分のa,arという字で視覚的な識別の助けも正答率を高めた一因であろう。
・小問8(67.6%)は,chについて子音〔t∫)と〔k〕の比較問題であるが,語そのものが極めて基本的で身近な語であり,しかも日本語にもとり入れられたことばであることが理由と思う。
・小問4(17.3%)は,長母音〔a:r〕〔:r〕の問題であるが,正答率が極端に悪いのは,日本語には〔a:r〕と〔:r〕の音がなく,しかも外来語として日常パーク,ガールなどを耳にしていることが大きな原囚であろう。
・小問9(37.8%)は,thについての〔〕と〔〕の問題である。日本人として発生するのに抵抗の多い音の一つであり正答率が低い原因となっている。threeを正答としてえらぶ生徒が多かったのは,treeと見まちがえたのではないかと思われる。

〔5〕 正しい抑揚で身近なことについて対話をする問題
・2問あるが,抑揚については理解しやすい問題なので,両問とも正答率は比較的高い。

〔6〕 日常慣用のあいさつにっいての問題
・4問あるがいずれも高い正答率を示している。
言語活動の最も初歩の段階の活動であり,授業の中でもよく使われ,生徒によく定着していることがらである。小問1の問題が92.1%となっているのは何よりの証拠である。

【2】 読むことの領域

この領域においては,sense groupを読むこと,語句を読むこと,語と文の関係,まとまりのある数個の対話文および説明文を読むことの問題からなりたっている。

〔1〕 初歩的な文を正しく区切って読みとる問題
・各問とも正答率はかなり高い。身近な文であり意味上も理解しやすく,前置語句のとらえ方,接続詞の前での区切りもよく身についている。たとえば小問3(83.4%)の,after schoolは,まとまった一つのものとしては握されていることがうかがわれる。

〔2〕 基本的な語についての意味の問題
・数個の語から異質語を一語選択する問題である。小問1(84.7%)における動物,植物の名は生徒になじみがあり,小問2(57.1%)church,museumはなじみの少ない語で平常の活動でもあまり活用されていないことに起因して,正答率が一番低くなっているのではないかと思われる。
誤答傾向では,churchをえらぶ生徒が多かった。

〔3〕 基本的な語・句についての意味の問題
・問題に使われた語は,動詞,動詞句,形容詞からなっているが,いずれも平均して高い正答率を示している。小問3のopen-shutは61. 5%でshutの意味がよく理解されていないためであろう。

〔4〕 文の内容をは握する問題
・文を読み文と語,語句の関係について読みとる力を診断する問題である。いずれも60%台の正答率を示しているが,小問1は極めて平易な内容であるにもかかわらず予想を下まわった正答率(61.5%)となっている。
・小問3の比較の問題においては,予想を上まわった正答率(68.1%)となっている。小問3,小問5は,音声テストの問題であれば理解しにくいが,文字をみて時間をかければ内容のは握が容易になることがわかる。

〔5〕 基本的な語法に従って英文を読み,内容を理解する問題
・文と文中における機能語の関係の間題である。
・小問2(51.5%)はwithの使い方であり,生徒にとっては発音も意味も抵抗のある前置詞である。これはやがて学年がすすみwithoutの使い方で更に混乱する遠因ともなるので,じゅうぶんな指導が望まれるところである。
・小問3(69.6%),小問4(71.4%)は,等位接続詞の問題でその用法が日本語と類似しているので生徒に理解されやすい。


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