研究紀要第24号 中学校 福島県診断標準学力検査問題分析結果報告書 - 104/106page
(2) 結果と考察
「聞くこと・話すこと」「読むこと」「書くこと」の3領域区分は【1】【2】【3】で表わし,大問〔 〕小問1,2…と表わしたのは,1,2学年の診断テストの場合と同様である。
考察は,主として前頁の表の言語活動の項目ごとに正答率の高い小問と低い小問を中心に検討をすすめた。小問のあとにある( )内の数字は正答率であり〔 〕内の数字は領域ごとに通し番号となっている。
【1】 聞くこと・話すことの領域
〔1〕 身近なことについて基本的な英文を聞く問題
・英文の内容に合う絵を選ぶ問題であるが,小問1(85.3%)は,bicycleという語と密着して記憶されていると,思われるriding a bicycleの識別が容易であったものと、思われる。特にS+V+O+Cの文型の理解がよいということはいえない。
・小問5(37.7%)は,連語take part inの理解とtoo〜toの構文の理解という二重に理解をはばんでいるものがあるために正答率が低い。とくに連語too〜toについては,文部省の中学校指導要領の25個の連語にふくまれており,使用ひん度も多いので,定着するまで十分なdrillが望まれるよころである。
〔2〕 数個の文を聞き内容について答える問題
・内容についての英語の問いに答をえらぶ問題であるが,小問2(83.0%)は,Last summer Jane visited Canada….を放送文のはじめの部分で聞いているので,What country did Jane visit…?には容易に応答できたことと思われる。
・これに対して,小問4(57.7%)は,放送文の終りの部分で聞いていることと,小問2に比してWhat chance did Jane have…?の質問がなじみの少ないものであることが,聞いた瞬間,とまどいを感じたことであろうと推察できる。
・小問6(51. 0%)は,部分的なDictationの問題であり,小問1〜5とは別の要素をふくんでおり,並列的に考察を加えることは適切でない。
しかし,小問6のJane goes to school….のgoesのミス・スペリングがいかに多いかを考えるときに,初歩的,基本的な語の書くことの指導の重要さを痛感させられるものである。
〔3〕 話すことの活動として,身近な単語を正しく発音する問題(アクセント)
・小問1(70.6%)はsugarのアクセントの問題である。比較する他の3語arrive,forget,acrossのアクセントの位置がよく記憶されていたために比較的よい結果になっているものと思われる。
・小問2(45.7%)はsuccessのアクセントであるが,hundred Asiaとする生徒が多かった。アクセントの指導は,新出語として学習するときが一番大切で,誤って記憶されると修正するのに膨大な時間がかかるものである。
〔4〕 話すことの活動として,身近な単語を正しく発音する問題(母音・子音)
・話すことの活動の分野では,2学年同様に発音の問題が正答率50.5%と低い。特に小問1は,24.4%と低すぎるが,frontとwrongを,あるいはwonを同じ音〔〕がふくまれると考えたためではなかろうか。誤答傾向も圧倒的にloveとする生徒が多かった。いずれも2,3年で学習する単語であるが,十分留意して指導する必要があろう。
・小問4(62.0%)は比較的高い正答率であるが,breakの発音〔ei〕がしやすく,定着しやすい語ということが考えられる。
〔5〕 平易な語句を用いて対話をする問題
・小問1(77,3%)Excuse me〜は小問6のYou
are welcome.同様に最も基本的な日常慣用のことばであるので磯会をみて指導しておきたい。
・小問4(47.1%)は,距離わたずねるHow far is it〜?であるが,farという単語は上記の文型の表われるときに既習語で,特にtarget sentenceとしても取り扱わないことも正答率の低い一因と考えられるので指導上留意したいところである。
〔6〕 平易な文を用いて対話をする問題
・店員とトムとの対話で,シャツを買う場面である。小問3(71.8%)は,勿論,値段を聞くHow much〜?の表現が一番よく定着している。
・小問2(53.7%)がよくないのはどういうわけであろうか。誤答傾向としては,大部分Oh,yes.と答えている。What color shirts do