研究紀要第24号 中学校 福島県診断標準学力検査問題分析結果報告書 - 105/106page
you want〜?に応答することばとして,色をたずねているのでWhiteがすぐ見つかるはずであるが,White ones.のonesにまどわされたのであろうか。
〔7〕 相手に念をおす表現の問題
・付加疑問文で文尾の( )に挿入する語句を選択する問題である。小問1(83. 3%)はbe動詞をふくむ問題であり,ごく基本的なisn't it?を選択するのは容易であると思われる。
・小問3(59.3%)の付加疑問doesn't it?を選択する正答率は低く,3問とも全部誤答の生徒も目立つが,文部省の中学校学習指導要領の第3学年の言語材料のうち,文としては「付加疑問文」ただ1つだけであるので,生徒が十分理解するまでdrillする必要があると思われる。
【2】 読むことの領域
この領域は,他の領域に比しても,また1,2学年の「読むこと」の領域に比してもかなり高い正答率を示している。
読むことの領域 平均正答率
正しく区切る問題 語の意味に関する問題 文の内容理解の問題 手紙文の問題 数個のパラグラフを読む問題
79.9% 70.7% 67.0% 73.4% 60.4%
〔1〕 身近な文を正しく区切って読みとる問題
・英文を1ヵ所区切って読むときの正しい位置を記号で答える問題で,概してかなり理解しており正答率も高い。
・小問5(96.0%)は関係代名詞whoの前で区切る問題で,生徒にとって他の接続詞以上に身近に感じる語であるため正答率が高いのであろう。
・小問3(71.3%)は,接続詞thoughの前で区切る問題である。誤答傾向からみると,impor-tantの前,後で区切っている生徒が多いことから,〜important part〜のimportantの語義が理解できないのではないかと考えられる。
〔2〕 基本的な語の意味の問題
・数個の語から異質語を一語選択する問題である。
小問1(84.3%)は,飲みものに関係ある名詞であるため,異質語cupの識別が容易であったと思われる。
小問6(55.0%)はfield,hill,moun-tain,と自然に関する語とfarmerの識別の問題である。第3学年の教科書にある語であるが,誤答傾向はhillと答えた生徒が多く,語の意味が理解され記憶されていないとは,3年になると文法,文型に比して語の意味を軽く扱う傾向がないか反省したいところである。
〔3〕 文の内容をは握する問題
・英文の( )内に適語を選択挿入する問題で文と語,語句の関係について読みとる問題である。
小問9(82.3%)は日常生活の基本的な表現内容である,Good nightを選択する問題であるため正答率の高いのは当然と思われる。・小問7(51.3%)は関係副詞whereをふくむ文,the place where bocks are( )〜.で,文意のは握はもちろん,動詞keepの語義の理解も不十分であることが考えられる。
〔4〕 手紙形式の文の内容についての問題
・これはthank-you letterといわれるものである。小問1(85.3%)は手紙の書式の問題で,中学3年で扱う教材であり,書式の解説などを加えて指導する必要がある。
・小問4(62.8%)は,本文の内容に合うものを選択する問題で,生徒にとって一番抵抗のある内容のは握の問題であるが,かなりの正答率を示している。
〔5〕 数個のパラグラフを読む問題
全般的にこの問題は正答率が60.4%で,この領域では一番低いところである。
・小問6(79.8%)のstressの問題what did〜?She took out some cakes〜で容易に答えることができる問題で,正答率がもう少し高くなってもよいのではないかと思う。
・小問4(42.8%)は,文中の空らんに適語をえらんで入れる問題であるが,前置詞withoutの用法・語義と動名詞pickingが生徒にとってなじまず,定着率の悪い語句とみることができよう。
【3】 書くことの領域
この領域では,他の領域に比してかなり低い平均正答率を示している。