研究紀要第25号 学習指導に関する研究 - 000_03/060page
テーマ 女子教員に関する諸問題の分祈と考察
戦後,女子教員の台とうは目ざましい。特に小学校においてこの傾向はますます強まると考えられる。このような観点から,教師性差が児童・生徒の学力・性格にどのような影響を与えているのかを調査し,それに対応する教授組織等の最適化の方法を見い出すことを目的として実施した。
1 女子教員による教育と児童・生徒の性格形成に関する調査と分析
2 女子教員による教育が児童・生徒におよぼす影響―特に算数学力の差異に関する分析―
3女子教員の研修のありかたについての考察
テーマ 学力検査問題報告書からみた算数の基礎学力の変動
現在の学習指導要領が実施されてから,5年経過した今日,現場から指導内容が多すぎるとか,児童の計算力が低下したという声が聞かれる。
そこで,県内児童の算数科における学力の実態を理論と実践の関係から解明しようと考え,これの事前研究として今年度は,学力の変動,学力分布について研究した。
ここでは,そのうちの学力の変動についての研究結果をまとめ,本研究についての理論的仮説の一つを導いた。
j.e.児童の計算力の低下ということの意味は,最も基礎的指導内容についての学力の低下と解釈するのが妥当であり,この現象は小学校5年以上にあらわれると推測できる。
テーマ 生物と環境に関する素材研究
−ショウジョウバエの増殖と環境要因について−
中学校三年で取り扱う「生物と環境」の教材では,生物と環境の相互作用を理解させることをねらいとしている。しかし,生物にはたらきかける環境要因は,単独で影響をあたえることは少なく,幾つかの要因が重なりあうため,野外の事象観察だけでは,相互作用をとらえることはむずかしい。
この研究は,ショウジョウバエを素材として,コンチュウの増殖と環境要因の関係を実験的に調べたものである。実験室では,条件の統一がやさしいため,環境要因のひとつひとつと生物の関係を明らかにして行くことができる。主な内容は次の通りである。
@ ショウジョウバエの増殖と生息密度との関係
Aショウジョウパエの増殖と食物の量との関係
テーマ
その1 誘導電動機の原理説明器の試作
製作が容易であり理論的にしかも生徒が理解し易いものを目的として試作してみた。すなわち磁石を応用して簡単な回転磁界説明器で回転子を回転できることを示してその磁界発生を知らせる。これを電磁石による回転磁界を発生させるしくみをして考えてみた。
留意した点は(1)誘導電動機に似せる工夫
(2)巻線を少なくする工夫
(3)回転子になにを使用するか 等であった。その2 金属結晶粒組織の変形観察
金属の塑性や切削,熱処理等によって金属結晶粒はどう変化してゆくのか中学校では簡単に観察できないようであるので,学習指導上の参考になればとその幾つかを写真で示したものである。
テーマ コア・ダンプと16進
テレビの映像のしくみを知らなくとも,つまみの機能を知っていれば「映像の流れ」を調整して「流れ」を止めることができる。
コンピュータの場合も,ボタンひとつの機能を理解していると,ちがった面から「流れ」を把えることができるようになる。
ここにあげたコア・ダンプはボタンひとつの操作で数値が記憶装置の何番地に格納されているかを知ることができるというものだ。
本来,みることのできない状態のものを,ボタンひとつの操作でみることができるというのだから便利なボタンである。ただ,みえると言っても言葉と同じように,その表われた記号を解釈できなければならない。
コア・ダンプの言葉それが「16進表示」なのである。
テーマ磁界に関する教材研究
(コイルの作る磁界について)コイルに電流を流して,磁界をつくり,その強さを調べるには,中学校の教科書にある実験ではいろいろの問題を含んでいる。それは,磁界の強さを調べるのに方位磁針を使用しているからである。
定性的な結果を得たり,連続的な傾向をみるだけならば,勿論この方法で十分であるが,定量的に考察する場合は,注意しなけれぱならないことが多い。
したがって,先ず,コイルの作る磁界は,コイルの直径,コイルの長さ,測定位置などによって,どのように変化するかを理論的に究明し,(計算や,グラフ化の一部は,コンピューター使用)次にその理論値と,実際に実験(方位磁針を使用)した値とを比較して,実験する場合の条件等を明らかにする。