研究紀要第25号 学習指導に関する研究 - 030/060page
十分に長いコイルでは,cos α =1.0となるはずであるが,グラフから0.995以上になれば,実測上1.0とみなせる。そのためには,
半径5oのコイルは10p以上,
半径10oのコイルでは長さが20p以上,
半径15oのコイルでは長さが30p以上,あればよい。すなわちコイル長が,コイルの直径の10倍以上であれば,そのコイルは“十分に長いコイル”とみなしてよいことになる。
2.コイルの中央部からはなれた位置での磁界の強さ(コイルの長さ一定)
実際に磁界の強さを測定する場合,コイルの内部で測定するのは困難なため,中学校の教科書にあるように,コイルの端からある距離に,方位磁針を置いて測定する。その磁界の強さについて理論的に考察してみると,図−3でコイルの長さをI ,半径をR として,コイルの端からI pはなれた位置での磁界の強さH を求めると,(2)式より
となる。コイル内部での磁界の強さは,x を負にして計算すればよい。半径の異なる5種類のコイルについて,測定位置による磁界の強さの変化をしらべるため,コンピューターにより(cos α- cos β)を計算したデーターの一部が表−1であり,このデーターをコンピューター附属のX −Y プロッターで画かせたものがグラフ-2である。
磁界の強さH は(1)式より(cos α- cos β)の値に定数をかければよいからグラフ−2のたて軸の単位を(cos α- cos β)にした。