研究紀要第25号 学習指導に関する研究 - 032/060page
ら2p以上の場合については,グラフ-5に拡大して示した。
以上のデーターを解釈すると次の結論が得られる。
@ コイル内では,長いコイルの方が,磁界が強い。
A コイルの外側の磁界も長い方が強いが,コイル長が,10p以上になると,ほとんど変化しなくなる。いいかえれば,10pのコイルも20pのコイルも外側の磁界はほとんど同じ強さになる。4.理論値と実験値との比較
コイルの端からある距離の位置で,コイルの作る磁界の強さを測定する方法として,中学校では図−5のような方法がとられている。コイルの作る磁界の強さを,磁針のふれる角度で測定するわけである。しかしこの実験にはいろいろと問題をふくんでいる。それは,磁針のふれの角度は,コイルの作る磁界の強さに比例していないことである。磁針の作る角度θは図−6の地磁気の強さH 。とコイルの作る磁界の強さH の合力の方向になる。したがってH はθに比例するのではなく,tan θに比例する。
勿論θの小さい範囲で実験すれば,tan θ≒θとみなせるから,としてもよいわけである。また,磁針の針の長さも問題になる。針が傾くと針の一端はコイルに近づくことになり,針の中心の磁界とは異なった値を示すことになるのではないだろうか。
写真−1の実験装置で,針の長さのちがった磁