研究紀要第25号 学習指導に関する研究 - 033/060page

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写真1
写真1

針を用いて,コイルの作る磁界の強さを調べたのが,表−2である。この表には,コンピユーターで計算した理論値も並べておく。

グラフ−6

   表−2
     使用コイル 半径9.25o 長さ112o まき数100回 コイルに流した電流1.5A
距離(p)
磁針の長さ3p
 
磁針の長さ2p
 
磁針の長さ1.2p
 
理論値
θ
tan θ
 
θ
tan θ
 
θ
tan θ
 
3
75
3.73
89.5
 
74
3.48
83.5
 
71
2.90
69.6
 
56.6
4
66
2.24
53.8
 
64
2.05
49.2
 
61
1.80
43.2
 
31.9
5
51
1.23
29.5
 
50
1.19
28.6
 
44
0.97
23.3
 
20.2
6
39
0.81
19.4
 
38
0.78
16.7
 
30
0.62
14.8
 
13.7
7
29
0.55
13.2
 
29
0.55
13.2
 
24
0.45
10.8
 
9.8
8
23
0.42
10.1
 
21
0.38
9.1
 
19
0.34
8.2
 
7.3
9
18
0.32
7.7
 
18
0.32
7.7
 
13
0.23
5.5
 
5.6
10
14
0.24
5.8
 
12
0.21
5.0
 
9
0.16
3.8
 
4.4

この関係を示したグラフ−6からもわかるように,測定値は理論値より大きな値を示している。これは,磁針が傾くと,磁針の端が,コイルに近づくため,磁針にはたらく力が強くなり,磁針の中心の磁界より大きな値を示してしまう。しかし磁針が小さいと,この影響が少ないため理論値に近い値を示すようになるのではないかと考えられる。

磁針を用いた(中学校の)実験によってコイルの磁界を測定して,前に述べた理論から得られた結論と合うかどうか二つの実験を試みた。

 @ コイルの長さによってコイルの外側での磁界はどう変るか。
コイル半径9.25o,単位長(0.01m)当りの巻き数100/0.056,電流1A,磁針からコイル端までの距離を6pにして実験した。

コイル長
5.6p
11.25p
16.8p
22.4p
測定値
θ
29
33
33
34
tan
0.55
0.65
0.65
0.67
H
1.33
15.6
15.6
16.1
表−3

表−3から,10p以上のコイルでは,外部の磁界は長さによってほとんど変化しないことが実験でも立証される。

 A コイルの半径によって,コイル外部の磁界はどう変るか。
コイル長112o,単位長(0.01m)当りの巻き数100/0.056,電流1A,磁針をコイルから6pはなして実験した。

表−4から,磁針を用いた実験結果の方が少し大きい値であるが,理論から得られた値に比べ,


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