研究紀要第25号 学習指導に関する研究 - 039/060page
3.交流による回転磁界の説明の一方法
Aコイルに流れる電流をグラフAで示すと,Bコイルを流れる電流はチョークコイルのため位相がおくれてBで示される。
aの時期にはAコイルの電流は0,Bコイルには負の最大電流が流れている。そのためBコイルの鉄心の内側の端はN,B´コイルの内側の端はS極となる。したがってコイルの中央部にはN→S向き,即ちアのように下向きの磁界が作られる。わずかに時問が過ぎたbの時期にはAコイルに正,Bコイルに負の電流が流れるから,Aコイルにより右向き,Bコイルによる下向きの磁界ができる。それを合成するとイのような右下向きの磁界となる。
さらに時間が経過すると,cのようにAコイルに正最大の電流,Bコイルは電流0となり,Aコイルによって右向きの磁界が作られる。
このように次々にコイルの中心部の磁界はア〜ケの向きに変化し,これが1秒問に50回繰返されるのである。1に於て磁石を1秒間に50回転するのと同じ回転磁界が作られるわけである。
4.今後の改良点
実際のモーターコイルは図のように巻かれている。4組の電磁石の外側を共通の鉄でつなぐと,損失は極めて少なくなるので実用のモーターは必ずこのようになっている。
回転磁界も,その形に近づけるために,次のように改造するのが良いと考えられる。2oぐらいの鉄板を巾15oぐらいに切り,リングを作る。これにボルトに巻いたコイルを内側から取りつける。製作が困難になる欠点はあるが,能率は良くなるだろうと考えられる。
5.材料表
品 名 寸 法 数 量1.トタン板 0.6o×20ox140o
1枚
2.フェライト磁石 20o(極が面にあるもの) 2箇3.真ちゅうパイプ 2.5o×30o 1本4.プラスチックプーリ 50o,10o 各1箇5.鋼鉄心棒 2o×30o
2o×110o
各1箇6.ラワン板 10o×90o×250o 2枚7.輪ゴム No.18 1本8.レセプタクル 1箇9.平型差込プラグ 1箇10.平行ビニール線 30芯 600o 1本11.ビニール単線 20芯 500o 1本12.エンパイヤチューブ 細 150o 1本13.フォルマール線 0.26o 12o 4本14.電 球 60W 1箇15.螢光灯安定器 20W用 1箇16.写真フィルムケース 35o用 1箇17.塩ビパイプ 内径57o肉薄40o 1箇18.L金具 20oX40o 2箇19.鋼鉄心棒 2ox80o 1本20.銅 板 0.3o×40o×100o 1枚21.トタン板 0.3o×40o×100o 1枚22.ボルト 8o(ネジ部長さ30o) 4本23.木ネジ 12o,20o 各2本24.ナット 3o 5本