研究紀要第25号 学習指導に関する研究 - 058/060page
修率分布曲線は,41〜45歳を頂点とするものの非常に平板な分布を示しており,女子教員の研修率が男子教員に比して極めて低調であることがわかる。
図2からは,上記のごとき分析がなされるが,一方これを各年度ごとに分けて図示してみると,図3〜図6のような各図表を得ることができる。これらの各図表から次のような点が判読されよう。
@ 男子教員の研修率は,頂点が36歳〜45歳である点はほとんど変動がないようだが,年を追って山が低くなっている=研修率の低下。
A 男子教員の研修率の低下に反して,女子教員の研修比率カーブは,年を追って頂点が高くなり,高率化の傾向がみられる。このことについては,福島県教育センターでの研修が昭和46年に開始されてから,中堅教員という名での研修が多く開講されたこと,男女教員の比率が小,中,高と合わせると,男子が多いことなどから,研修計画初期段階ではどうしても男子教員が優先的に受講する結果になっていたのではないかと考えられる。しかし,さらになお一層の考察を加味するならば,教育センターでの研修は,自主的,自発的に参加できるようにシステム化されているのだから(システムがスムーズに動いていない点も認められる)もっともっと多くの女子教員の参加があってもよかったのではないかと思われる。
この点については,研修日程が,家庭を持つ女子教員にとってや,長いこと,育児やその他の理由で有給休暇をフルに使い,さらに研修のために担任児童生徒を残して出張することに対する抵抗,乳幼児を家に残す不安,管理者の研修に対する構え……などが大きく働いていることが,先きに実施したアンケート調査から読みとれた。
さらに,いままでの研修受講者を小学校に限ってとらえ図示すれば右のようになる。
これらの諸表から,小学校教員の研修については,前述した福島県全教師の研修にくらべてさらに男女の差異が,年を追ってなくなりつつあることが判別できる。
なお,昭和48年度,49年度の研修に限って考察すれば,46歳〜50歳の女子教員の研修率は,男子教員より高くなっており,49年度の25歳以下の女子教員の研修率も男子のそれを上まわり,全体の分布曲線も男女の差が極めて小さくなってきていることがわかる。
このことは,年々女子教員の研修率が高くなってきていることを物語っていると考えられるが,以下年齢別に分けて,男女教員の研修比をさらに詳しく分析してみたい。