研究紀要第25号 学習指導に関する研究 - 057/060page
100名(男女各50名)を,年齢別・地区別の区分を考慮しながら選出し(できるだけランダムに)質問紙法による調査を実施した。
B 調査期日………昭和50年9月下旬
C 調査内容………昭和51年度より実施される新研修計画作成のための基礎資料を得るべく,研修に関する4つの項目から構成されている。これらの項目の集計・分析・考察は,昭和51年度からの新計画にとって大いに参考になるものであったが,本研究の狙いとしては,この調査の内容分析よりは調査の回収率−男女別・年齢別−の差異の分析考察が重要課題となるので,本研究においては,直接研究に必要とされる項目内容以外には触れないでおくことにする。(2) アンケートの回収率からの考察
図1は,アンケートの回収状態を,男女教員別・年齢別に分類し,図表にしたものである。この図表から,次のことが読みとれよう。
1) 研修に関するアンケートの回収率は,20代の教員よりは30代,30代の教員よりは40代と漸増の傾向を示している。
このことは,教師全般の研修に関する関心,あるいは,研修への意欲が,教職年数の増加にともなって強化されていることを裏付けるものであり,教育界の発展のためには,極めて望ましいこととしてとらえられよう。
2) 第2点として,40代の女子教員の回収率が大きく同年代の男子教員のそれより低下している点が目を引く。
この点に関しては,どのような分析を加え,どのような解釈をなすべきなのだろうか。研究者としては非常に迷うところである。世俗に流布されている諸説は数多くあるが,いずれも適確性を欠いており,本研究のデータも非常に少数であるため,結論や推論を述べることは控えるが,このデータから,陥没が厳然として読みとれることを特筆しておく。
3) 第3点としては,50代の男子教員のアンケート回収率が,同年代の女子教員のそれより,大きく低下していることがわかる。
これについては,50代の男子教員は,今までの教職経験を十分に生かせば,新しい教育技術や考え方を導入せずとも,子どもたちを十二分に引っぱっていけるし,学校内の分掌関係から,雑務等が非常に多くなり,さらには,研究・研修は若手教師がやるもの,年寄は後進に道を譲って消えるもの,という意識が強く働いているためと思われる。しかし,同じ年代の教員でありながら,女子教員は100パーセントの回収を得た点を合せ考えると,非常に残念なことだといわざるを得ない。
(3) 昭和46年度より昭和49年度までの研修講座出席者の数量分析と考察
図2は,昭和46年度から49年度までの4ケ年間に,福島県教育センターで研修を受けた小・中・高の教員の数を,年齢別・男女別に分類し,図示したものである。
この図表から,41歳〜45歳までの教員が,男女共に研修率が最も高く,男子教員研修率分布は36歳より45歳をピ一クととしてやや左右対象型に近い曲線をえがいている。しかし,女子教員の研