研究紀要第33号 学習指導に関する研究 - 002/092page

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地歴並行学習の現状と研究課題
 
境 野 啓 二
吉 田 伊 勢 吉
(第1研修部)

1.はじめに

 昭和44年の中学校学習指導要領の告示以来,社会科の教科構造の明確化とともに地歴並行学習が採用され,各校ともその研究につとめたのであるが,今回の改訂(昭和52年7月告示)により,一層重要視されてきたことは周知のとおりである。
 しかし,地歴並行学習の歩みは決して平坦なものではない。つまり,教育課程審議会の答申にもとづき作成された案では,地歴並行学習を行うことを原則とされたにもかかわらず,告示では弾力的な運営を認める方向に変更しなければならないことはこれを物語るものである。

教育課程審議会の答申(昭和51年12月18日)
社会 ア、改善の基本方針 中学校
(ア)内容は現行どおり地理的分野,歴史的分野の基礎の上に公民的分野を学習する構成とするが,特に地理的分野と歴史的分野の内容の構成に当っては,第1学年及び第2学年の生徒の発達段階に十分配慮する。
なお,その履修については,第1学年及び第2学年で地理的分野と歴史的分野と並行して履修させ,第3学年で公民的分野を履修させる。

中学校学習指導要領案(昭和52年6月発表)
第3 指導計画の作成と各分野にわたる内容の取り扱い。
2.各分野に充てる授業時数は,第1学年にて地理的分野70単位時間及び歴史的分野70単位時間,第2学年において地理的分野70単位時間及び歴史的分野70単位時間,第3学年においては公民的分野105単位時間を標準とする。その際,第1学年及び第2学年における地理的分野と歴史的分野の学習は,並行して行うことを原則とする。

中学校学習指導要領(昭和52年7月23日告示)
第3,指導計画の作成と各分野にわたる内容の取り扱い。
2.第1学年及び第2学年を通じて地理的分野と歴史的分野と並行して学習させ,第3学年において,公民的分野を学習させることを原則とするが,学校の実態に即して適切な指導計画を作成することができる。
 各分野に充てる授業時数は,
 地理的分野 140単位時間
 歴史的分野 140単位時間
 公民的分野 105単位時間
を標準とする。

新学習指導要領と現行学習指導要領を比較すると文面そのものではほとんど変りがない。

中学校学習指導要領(昭和44年4月14日告示)
第3 指導計画作成と各分野にわたる内容の取り扱い。
3.各分野の学年配当については,第1,第2学年を通じて地理的分野と歴史的分野を並行して学習させ,第3学年において歴史的分野および公民的分野を学習さ


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