研究紀要第33号 学習指導に関する研究 - 040/092page
手づくりの実験装置(その1) 生物電気観測用刺激パルス発生回路の設計・製作小 荒 井 要 (第2研修部)1.はじめに
生物発電の観測に必要な刺激装置(パルス発生機)について設計し,試作したところ大変ぐあいのよいものができたので,動作機構・設計のポイント,アイデイア等にふれ乍ら紹介する。
所有すべき機能としては,
(1) 一つだけのパルスが発生できる。しかも,
@出力Xの大きさ,パルス巾Tが,それぞれ調節できる。
A静止の状態で,出力は0レベルを保つことができる。1
Bパルス発生と同時に,シンクロ・スコープにトリガ信号を送ることができる。
図1
(2) 連続パルスも発生できる。
この場合,前記の@〜Bの機能のほかに,周波数fが調節できる。
2.単パルスをつくる回路と,その検討
(1) 単安定マルチバイプレーター
図2に示す回路で,図3aのようなパルスを,トリガ信号として加えると,図3cで示されるような方形波を出力として取り出すことができる。
この動作を説明しておく。
静止の状態では,出力は電源電圧と同じレベルの+Vccとなっている。従って非反転入力端子には正帰還の分圧回路R1,R2を通して
の電圧が加わっていることになる。
また一方の反転端子には,RとDによる負帰還回路を通して,ダイオードDの順方向の電圧Vf(約650mV)が加わっている。
従ってOPアンプの差動入力は,Vn−Vfで
Vn−Vf>0
の間は,出力は正のマージン+Vccを保っている
図2 図3