研究紀要第33号 学習指導に関する研究 - 051/092page
写真1は,完成品である。コンパクトにまとめ取り扱いが簡単であるようにした。
写真2は,実験の様子を示している。
写真2
図6に,実験結果の一例を示す。
極大点間の電圧をセクションペーパーから読みとると16.5Vという値が得られる。
まさにNeの第一励起エネルギーは16.5eVと確認できる。
最初の極大点が16.5Vではなく20.5V程度を示しているが,これは電極の接触電位差に基ずくものとして説明できる。
加速電圧を増していく過程でG2−P間の電圧が若千変動するので,その都度それを調整する。
測定は少くとも,加速電圧2Vきざみで行う。
実験結果は,G2−P間の電圧が,−5Vの場合を示したが,同様にして,−3V,−4Vの場合について求めても同じ結論16.5eVが得られることは,いうまでもない。
おわりに
刺戟用パルス発生装置は,増巾器と共にシンクロ・スコープに組み込んで市販されている。
しかし,これは非常に高価(28万以上)で,現実にはなかなか手の出るものではない。
これを手づくりで求めると,ここに紹介したKK方式(ここだけの便宜上の呼び名)のものと,増巾器を含めて7000円程度で立派なものができる。これと手持ちの二現象シンクロ・スコープを併用すれば,市販品以上の機能を持たせることができる。物理と生物の先生が協力しあって,何はともあれ先ず,製作を試みられることをねがって止まない。
フランク・ヘルツの実験装置についても同様のこと言える。各メーカーから,それぞれ市販されているが,いずれも高価(8〜12万)で容易には求め難い。
また,求め得るにしても,単純な計算になるが,市販品を一基購入するよりも,生徒実験ができるよう,数を揃えた方が得策といえよう。昭和51年度から,理科教材製作材料費の補助制度が施行された。これを充分に活用して理科教育の効果をあげたいものである。